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草剣物語〜精霊と少年の旅路〜  作者: 璃月 曽良
第四章
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氷の華舞う大地『スノーベル王国』

 七尾が通行証のネックレスをつけているため、街の中へは堂々と入ることができましたが、一行は緊張していました。大理石で組まれた柱や壁には細かい彫刻が掘られてあり、桜生国の木製の建物しか見ていなかった一行には、価値があまりにも大きくて恐縮しました。


 スノーベル王国は桜生国よりも発展しており、七尾の持つケータイの技術もこの国から伝授されたものでした。ケータイの他にも車や家電なども、桜生国はスノーベル王国から輸入していました。また、農業が盛んな桜生国からはお米や果物が輸出されておりました。


 今、桜生国とスノーベル王国は協定を結び、保存に効く、乾パンや缶詰、ペットボトル飲料の開発に力を入れていました。

 両国は、ユグドラシルの地を探すため長期間、国を離れることもあるため、保存食となる飲食類が必要なのでした。


 一行はが街の中に入ると、物珍しく辺りを見回す者が二人おりました。


「うっそ、すっげー! ここに並んでるテント全部食べ物屋だ!」


「ねー、ここんとこ長旅だったし、少し気分転換でもしない? 私街見てみたい!」


 ユーリとイロハは気分も高まり、本来の目的を忘れていました。こんな調子では王様にも失礼だと、一行は二手に分かれました。ユーリとイロハ、そして保護者のためにケイを付かせ、アレンも、街を案内すると言いました。そしてサクと七尾はお城からの迎えの車が来ていたので、七尾はお気楽なユーリとイロハに、少し呆れながらもサクと車に乗り込みました。

 合流の際はケータイで連絡するよう約束するとサクと七尾を乗せた車はお城へと向かいました。


 車内で、七尾はミライのことを考えていました。かぜの心臓部、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を盗み、残りの神器を集め何をしたいのか。考えてもわかりませんが、おのれの高い錬金術の技術を良いことに使っていないことは確かで、今までミライの身近にいながら気づくチャンスはいくらでもあったのではないかと、七尾は悔やみました。


 城は黒い岩を四角に削ったものをベースに組み立てられており、細部には大理石で作られた花や蝶の彫刻が飾られてあって、高い天井には天使の壁画が描かれていました。


「きれー。天井の壁画は命の女神と、裏切りのザーでしょうか?ザーと女神が七色の木で寄り添いあっていて、歴史的にも高い価値を感じます」


 感動する七尾に車の運転手兼案内人は丁寧にはなしてくれました。


「流石、七尾姫様。兼ねてより、テレビで拝見しておりましたが、賢いだけでなく、感性も豊かでいらっしゃる。私共だけではこの街は発展出来ませんした。あの壁画は以前雇われてきたジグという大きなクマの姿をしたものが1ヶ月かけて描いたものです。本当に美しい……」


 七尾もサクも、カクバン丘の教師、ジグにこんな技術があったのかと驚きながら、人が作り上げた文化の偉大さに魅力されました。


 案内人のもと、二人はスノーベル王国、スノーベル・ディル・フォロナーデ王のところまで来ましたが、赤い壁に金の蔦の模様が入った大きな扉のが開くと、そこには上品な椅子が2つあって、左の椅子は空席に、右の椅子にはティアラをつけ堂々とした振る舞いの女性、スノーベル・ディル・カトレーナ王妃が座っていました。


 「なんぞ、主ら……そうか、女性の方はは七尾姫様とみた。何度かテレビで拝見させてもらったぞ。なんぞ? 隣の男は一般市民か? ……まぁよい、フォロナーデ王は今はおらん。手紙はスズメから預かって読んだぞ、大事な娘さんのようだな、フィーリル王にのとっても。」


「王妃、私、桜生七尾からお話をよろしいでしょうか?」


「かまわん、申してみろ」


「私は、隣りにいるサクとともに失った精霊の手がかりを探すため、桜生国を旅立ちました。世界に眠る四属性のフルートがあると聞きフルートの手がかりを探しています。何か知ることがあれば教えていただけないでしょうか?」


 王妃は、七尾の話を聞きながらもサクを気にしていました。正確にはサクに宿るフィーラに関心がありました。サクが緊張する中、七尾は失った精霊かぜの話とかぜの心臓部である勾玉を盗んだミライの話をしました。すると、ミライ阻止のためフィーラが姿を現すのでした。



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