眠る王子様を守る霊力少女
私は優雅先輩を守る。
あの世界みたいに、あなたを1人には絶対にさせないから...
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時計の針が上を向く真夜中、死神と戦うのが私の日常であることを、私の大切な“優雅先輩”は知らない。
私の持つ記憶の中の“あの日”をさかいに、黒い死神が私の大好きな優雅を死へと誘うように襲いかかってきた。
前のあの世界とは違う少し変わったこの世界で、私は赤ちゃんからやり直した...否、“あの世界の私”の想いが強すぎて、“この世界の私”を彼女はのみ込んだ。
それでも私(達)は困ったりしない。だって、私達は同じ真希。だから_____
ーーーそれなのにッ...どうして私から優雅を奪おうとするの!?
「また死神の気配がする...」
前の世界で、時間をさかのぼり、優雅の傍にいるために使った霊力...私はこの世界で、この霊力を駆使して死神と戦っている。
今日もまた、私は自分の部屋のベランダから家の屋根に上がった...死神と戦う内に、この5年で得意になってしまった弓を召喚する。これが私の武器なのだから。
「...数がまた増えてる。でも、全部仕留める!」
月明かりに照らされた複数の黒い影が宙を跳ねている。私はそんな死神の存在を認め、不敵に笑う。真っ直ぐに弓を構え、右手で弓を引くと白く光る矢を3本同時に霊力によって召喚した。
「私から優雅を奪うものは、何であろうとゆるさない!」
そう言って放った3本の矢は迷うことなく真っ直ぐに飛び、死神を仕留めた。黒い影は地に落ちて、何もなかったかのように消え去る。
3体の死神を仕留めたからといって、彼らは全く動じない。この5年で弓の使い方も、敵の狙い方も霊力の使い方も覚えて使えるようになったんだからッ...!
「次も絶対にはずさない」
また私は弓を引き、白く光る矢を3本同時に召喚する。召喚した矢と同じ数、3体の死神に狙いを定めて射ぬいた。黒い影の死神を全部、いなくなるまで私は矢を召喚して放ち続ける。
私が優雅の傍にいたくて変えた世界
いつまでも私を呼ぶ優雅の傍にいたくて、どうにもできなかった世界
でも、この世界は優雅との関係が少し変わってしまったけど、“あの日”が無かった世界
あの世界の真希と優雅が願った。やっと一緒にいられる世界なんだからッ!!
ーーー絶対に、はなしたくない!!