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第99話 不幸

 

 

 


《むぅー!》


《許してくださいってば!》


《ゆるさないもん!》


ちょっとからかっただけなんだが、やはり拗ねられてしまい。


こういう、仲がいい者同士の痴話喧嘩みたいな戯れもまた楽しく……



「お待たせいたしました。わたくしここでの担当のマサハロと申します」


しばらくの間、VIPルームと言われる、品がいいんだか悪いんだか俺のセンスでは判断がつかない装飾品だらけの部屋でくつろいでいたんだが。


やってきたのは少しばかり予想に反して、なんだか日本人っぽい、痩せてて頭でっかちで苦労人っぽい風体の。


上司に無理難題を押し付けられやすくて、常時ストレスで胃に穴あけてますよっという感じの人。


しかしまあ、高額物件の担当なんだから、やはりそれなりに仕事は出来る人なんだろうな、というぐらいの推測はできる。


日本の働くお父さん的な雰囲気も、なんか懐かしくて俺の中の好感度は高い。


だが、それゆえに逆にこっちがやり込められる、そんな困った可能性も出てくるんだけどさ。


日本のお父さんは仕事ではまじで優秀なんだぜ……


まー、どうせ、俺は見に徹するつもりなんで、


つまりフランツさんvsこの人のやりとりになるわけだが。



「フランツと申します」


最初は何やらどちらも穏やかに。


象の皮……ではなく、羊の皮かぶった同士が握手なんてかわしちゃってる。


あ、一応こっちの世界でもこういう場合の挨拶は握手だ。


オッサン同士の握手なんて誰得だと思うんだが。


ちなみにこの時の俺の方の様子はというと、


完全にこれら一連の流れを無視して座り込んでる。


だって、美女か美少女か美幼女以外とわざわざ握手なんてしたくないからね!



「こちらはさる高貴な家柄のお方なので、くれぐれも失礼のなきようお願いします」



と言って、俺を指定するフランツさん。


当然そこで俺は、高貴ぃー!って感じにふんぞり返ってみた。


幼女神様ならまだしも、どうせそんなオーラ俺に出てないんだから、アホっぽい対応で充分だ。



「はっ! よ、よろしくお願いいたします」


なんか急に俺に対して低姿勢で接する担当の人。


いや、こんなぞんざいな対応で何をかしこまっちゃってるの……と呆れてはみたものの。


やっぱこういうタイプの人は、こっちでの貴族階級の人とかに色々苦労させられてそうだから、イヤミな奴に腰が低いのも仕方ないのかもなー、とも思う。


それでも無駄に優秀だから、上の人に積極的にそういう人担当に押し付けられて……


そんな感じの他人の不幸を勝手に想像して笑ってしまう。



そう言えば……


元の世界でも色んなことが万事そういう感じだったな、と思い出す。


上がれば上がるほど不幸になるタイプの人間ほど、


一見幸福にみえる立場へと昇り詰めやすい現象。


女性にもてすぎるイケメン男が、実は同性にのみ興味がある人だったり。


胸が大きい女性が、男からの視線や肩こりで苦しんでたり。


美男子と結婚したら、相手の浮気が気になって仕方ないとか。


宝くじが当たったら、不幸になってしまった人とかの話もよく聞いたし。


凝り性の人とか、下手に才能もつと自分で自分を追い込んで不幸になりそうだし。


小説ネタでよくあるサトリとかも、人の心を読んで不幸になるタイプの主人公ばかりだった。



そしてそういうタイプの人間は皆最後に、無駄にハイスペックなモノを持つなんてまっぴらだという考え方にいきつく。


で、そうなると神様が願いをかなえてくれたかのように何も無くなって、また違うタイプの不幸に陥るという。


なんだかね。


まるで、世界の全てが人間を本当には幸せにはしないようにしているかのような。


そんな風な裏側のシステムの存在を感じるわ~



どんだけ規格外に偉い存在になっても、他人の不幸は蜜の味ってか……ってね?





 


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