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第98話 極楽

 

 

 

と言っても別に俺は犯罪行為を擁護しているわけでもなく。


巨大地震にあって、途方にくれていたところ、無人のコンビニがあったら、


そこの資源を有効活用させてもらうぐらいのことは良いじゃないか、ってことさ。



最終的にだが、無法地帯に似た出来の悪い国は、他の勢力の掲げる正義に淘汰されるかもね?と言いたいだけだ。


それが既知の他国なのか、まったく新しい勢力なのかはまだわからんけど。





「着きましたよ、お客さん」


「ではこれを」


「ああ、カードですね。わかりました」


(ん? 今出したのギルドカードか? このタクシーみたいな乗り物の支払いにも使えるのか……ふああああ……)



なんていうかもう、今日は日差しが穏やかで、ポカポカしてて、


乗り物の中でもちょっと考え事にふけった後は、


妙に『あー、もう何もしたくねー』な気分にさせられていたんだが。


片手で子猫様さすっていたら、もうね、極楽よ。


もういいんじゃね、このまま何も考えず眠っちゃっても。


もうちょっとで何か重要なものが達成しそうな、そんな錯覚に襲われるんだが、


もうこのまま、『俺たちの夏はこれからだ!──完──』にしてもいい気分に……



「どうしました? いきますよ?」


(ま、やっぱそうは問屋がおろさんか。ハイハイ、今逝きますよ)



着いたところは、それなりに立派な建物の入り口近く。


商会としては、多分だが中規模と大規模の間ぐらいかな~と思う程度の大きさ。


日本に居た頃ならば、市役所とかの公共施設でこんな感じの建物が多かったなというぐらいの。


とはいえ、これからのり込むとあっては、ちょっと緊張するレベルの規模なんだけど。



元商会代表と揃って入り口まで歩きながら、俺は俺の主張を一応声に出して言ってみる。



「あー、すまないが自分はあまり参加しないでいいかな? 偉そうな顔して座ってればいいと思うのだが」


「……そうですね、それで特にかまいませんが。何か思惑でもあるのですか?」


「いや、別に無い、ということにしておいてくれ」


(よかったわ~ これで幼女神様としりとりでもしながら時間潰せるな~)



《しりとり~!》


《しりとりですね。えーっと、しりとりのルール知ってます?》


《しらない!》


《相変わらずですね……つっこんじゃだめだ、つっこんじゃだめだ……》


《?》


《相変わらず、幼女神様は可愛いということですよ!》


《ほんと? えへへ!》


《可愛いお嬢様、ひでぶを名前にする決心はつきましたか?》


《やっ! もう、ごまかされないも~ん!》


幼女神様と微笑ましい念話を楽しみつつも、俺はフランツ氏の後ろに張り付いて、建物の中へと入っていく。



「いらっしゃいませ。本日はどのような御用向きで?」


「そちらで扱っている、主に高額の物件をいくつか見せてもらいたいのですが、担当者の方はおられますか?」


「……少々お待ちを。君、こちらのお客様方をVIPルームへご案内してくれ!」


(いきなりVIP扱いとかどこの漫画の世界。フランツさんの纏う空気のなせる業か。俺一人じゃこうはいかないな~)



《そうそう、お嬢様。から揚げにはレモン汁とタルタルソースのどっちが好きですか?》


《両方!》


《やっぱりそうですか。……俺はどっちかというと、あんまんを胸にあててドヤ顔をする幼女神様とかが好きです》





 


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