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第96話 思惑

 

 

 


「すみません、さっきは見苦しいところをお見せしてしまって」


「ああ、ちょっとフランツ殿の雰囲気が変わってしまったのは気にはなったが、特に問題は無いぞ?」


「いやあ、彼はあのノリに付き合ってあげないと拗ねるのですよ……」


「あー、まあ、一部の能力の高い人にありがちなことだな……自分はああいうのは嫌いじゃないから大丈夫だ。むしろ楽しいとも思える方だ」


「おや、そうですか? 実は私も付き合いでやっていますが、結構好きではあるのですよ」


「そういう者については慣れているんだ。そうだな、例えば……ティーあたりがそれに当てはまるんじゃないか?」


「なるほど、確かにかのハイエルフ殿も、事にあたれば高い能力を発揮しそうですな」


「だてにおちゃらけているわけではないんだろうな……だが本当に痴れ者というセンも無いとも言えないのが笑えないんだが」


「フハハッ! ですが、あなたはそれは無いとふんでいるのでしょう?」


「だな。あいつのは確実に、相手の隙をつくための擬態だ。しかもエルフ側まで巻き込んでの。……多少本質でもあるようではあるけれど」


「……あの場でエルフ側に味方したのも、そのあたりの計算が絡んでのことですか」


「ああ、別にエルフに肩入れしたわけでもない。元次席が病巣なら、あの女性はそれを作る原因のようなもの。病巣をとっても原因があれば、またすぐ別の病巣が出来る。それを纏めて取り除くのにエルフ側寄りの判決は都合がよかった、ただそれだけだ……」


「ですが、それがエルフ側に好印象を与えるのも計算尽くなのでしょう?」


「…………そこはご想像にお任せするよ」


「では、勝手にこちらで想像することにしましょうか……そう言えばエルフは流石に美しいですな、特にあのクレイアというとびきり美しいエルフ娘とは仲が良いようではありませんか?」


「あ? いや、仲が悪いわけではないがな」


「いやー、お若いですね。なんと羨ましい!」


「えっ? ちょっと、違うから! そういう思惑でエルフに味方したわけじゃないから!」


「ハッハッハ、ご謙遜を」



(はあ……やっぱりこの人も、こういう面倒くさいキャラなのな……ふう……)





「しかし……結局はあそこでやったこと、やってることは物件の情報集めだよな。普通の手段では出来ないものなのか?」


「それは複雑な事情がありまして……簡単に言えば、客側にわざと情報を流さないようにして、値崩れを防いでいるのですよ。それと国側が、小さな商会がつぶれにくいように配慮もしているようですが」


「全部の情報が客に筒抜けだと、当然安いものから売られていくし、それじゃあやっていけない商会も出る。そういうことか」


「そうですね。流石に理解がお早いです」



(なるほどねえ……透明すぎて値段がはっきりわかってしまうと売る側の価格競争になってしまう。そして値段がどんどん下がり、おかしな値段まで落ちてしまう。これでは商人は首を吊らねばなるまい)



「ただ、それだと積極的に売りさばくということが出来にくくならないか。高額なものはその分、利鞘が大きくなるから問題はなさそうだが」


(そういや日本とかでも電化製品とかで同じ状況に、量販店同士の熾烈な価格競争とかになっていたっけか。でも、時々バランスが崩れて急激に高くなって持ち直し、また価格競争で緩やかに下がっていく。津波で工場が壊れて高騰したPCのハードディスクとかがいい例だよな。実際には関係ないメーカーまでちゃっかり値上げしたし)



「今回のようなものはそこまで焦って売るものでもありませんからね。しかし長く置いていても維持費などで足が出てしまいます。そのあたりは各自でうまくやっているようですよ」





「で……なんであの商会の裏側、いわば非合法な部分まで、わざわざ俺に見せてきたんだ? 下手をすれば俺が訴え出るかもしれないだろう?」


別に聞かなくても理由ぐらいはわかるけどな……


俺が一般人用に作られた、国の家畜用の善悪観念にとらわれてないことぐらいは、この人も承知だろうし。


大体、大きな利益をあげてる商人とか、国に関わる重要人物とか、大抵犯罪に足を一歩踏み込んでるのは当たり前だろう?


そういうのが仕切ってる犯罪組織並みの国に、せこい犯罪者引き渡して、何かいいことでもあるのかっていう……


前世でのホリ○モン騒動とかも、国に近い位置にいる犯罪者とそうで無い犯罪者の戦いで。


どっちにも正義なんてないのは明白だ。


そんなところで俺が正義感で訴えるとか、万が一にもありえない。


今回もせいぜい、おっさんズはいい手を持ってるな~と思ったぐらいだ。


この人が見せたのは、それ以外にも複雑なリスクとリターンの両方を考えてのことだろうけどさ……



「そこはそれ、蛇の道は蛇ということですよ。見せる人ぐらいはきちんと選んでいるということです」





 


蛇の道は蛇、これは日本語じゃなくてこの世界での諺です、と言っておきます。


いやー、似たような言葉って結構多いですよね!


ティーのおちゃらけが擬態とかも主人公が言ってるだけで事実関係はまだ不明。


それはともかく後2回で100話いきますね~


急にポックリ逝くようでもなければ100話達成はいけるかと(;´Д`)y─┛~~

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