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第95話 検索

 

 

 


「それで────何についての情報が欲しいんだ?」


「今回は、数百人単位で宿泊可能な、大きめな施設や建物等の売り物件の情報ですね」


「ほう……また随分と大きな仕事だな。それなら今現在売りに出されているもののうち、値段の高いほうから検索していくのが早いか」


「しかし無駄に高い物件の情報はいらないので、多少上位のものは情報を切ってくれませんか?」


「まかせろ。他に何か条件は?」


すっと元商会代表が俺へと顔を向ける。


当然俺は、えー、俺も参加するの? 面倒くさっ!という心境になる。



「ああ、出来れば、でいいが。いずれそこを拠点に広げるつもりだから、周囲の物件も根こそぎ買収しやすいところであれば尚良いな」


「おいおい、いったい何をする気だよ、あんたは。まあ楽しそうだからいいけどな」



(このおっちゃん、最初と性格変わってないか? まるでこ○亀の本田さんだな)



「よし、周囲で比較的大手の商会が関わっていなくて、中小も本部がそのあたりにないって感じで条件を設定したぞ。これで良いか?」


元代表と目配せをして、共にコクッと肯く。



「じゃあいよいよ情報取得モードに入るぞ……」


ここにきて何故か無駄に緊張しているおっさんズをいぶかしげに思いながらも、


傍観者気分で、事の成り行きに任せて適当にあわせておく。



「わかってると思うが逆探知されるとまずいからな。15分のみだ」


(ん? 逆探知?)



俺の疑問もどこ吹く風っとやらに、すぐ装置のスイッチらしきものを押されて。



「よし、最初はまずクリアだな。特に網は張られていない様だ」


「前回とかなり期間をあけましたからね。マークされていたのも途切れていて好都合です」


(あんたら……いったいなんの話してるんだ?)



「…………みたとこ数はそれほどではないが、この中から選ぶと考えると悪くない程度の物件がほどほどにあるようだな、これなら時間内に終わらせられるぞ?」


「それはよかった。面倒なことにはならないに越したことはないですから」


(…………面倒…………)



「ちっ、やっぱり来たか。だが旧タイプのもののようだ。やつら未だにこんなものを使ってるのか、笑っちまうな。こんなものとっくに対策済みだ、クックック」


「所詮、彼らも上に飼われている家畜のようなものですからね。ぬるい条件で国に養われている内に、鋭かった牙も抜かれているのでしょう」


(……………………)



「お? どうやら少しは気の利くやつもいるようだぞ。生意気にもこちらに罠を仕掛けるつもりらしい」


「ほお、面白そうですね。少し私も参加させていただくとしましょうか」


「おいおい、年寄りの冷や水にならないよう気をつけろよ?」


「それはこちらのセリフです!」





えーと……


これって……


なんかおっちゃんらが……


ほのぼのと童心に返って遊んでるように見えるけど、



────いわゆる以前の世界でのハッキング、いやクラッキングのようなものじゃないか?



オイ、おっさんズ。


何が魔道情報処理装置『零式天罪』だよ!


これどう考えても犯罪だろ! ────いや、まあ、いいけど。



いいのかよ!って突っ込みは無しの方向でよろしくっ!



というか、俺もう共犯かよ……はあ……





 


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