第77話 太陽
「まさか……出来るのですか?」
「まあ、それは後でのお楽しみということでな」
殆どその分野の知識に素養の無い人に多いのだが、
無理ではないと言ったら────即出来るにイコールで結びつけるのは……
いくらなんでも早合点過ぎるだろ……?
ちょっと異性に興味なさそうな態度をとったら同性愛者とか言われるのに似てるよな……こういうの。
出来そうであっても、実際にはいくつものステップを踏まないといけない場合が多いんだって。
クレイア君は、気が早すぎだっちゅうの。
うん。
ここはあえて────もったいぶって────切りぬけるに限る。
で、さっきから……
ちょこちょこと指先でわんこサラのほっぺとか鼻先とかを、
ちょいちょい突付いたりして遊んでるんだが。
少し前までの無表情が嘘のように、きゃいきゃいといった感じで笑ってる。
そのくったくのない明るさは、まるで太陽のよう。
子供の可愛さってのは本当に癒される。
世の中で多少の嫌なことがあっても、また希望を持てるほどには。
ただ境遇やらを考えると、サラは度を越して明るすぎかな……
遠慮の無い明るさは、時に沈んだ心を癒してくれるが、
心の制御が甘い人間にだと、「俺がこんなに苦しんでるのに何でこいつは能天気なんだよ、クソッ!」とか言い出されかねない。
この子の性格って、日本とかの学生になってしまうと、
明るくて素直な分、最初のうちは交友関係は調子よさそうだが、
ある程度経つと、クラス全員に阻害されるようなイジメにあいやすい気がする……
ただそれはあくまで無意味な交友をさせた場合の話。
この娘の性格を存分に有効に発揮させるのは、そう、
ある程度誰でも関わりやすく、気分がのらない時は自由に避けれる、
────アイドル的な立場こそがふさわしい、と思う。
俺がのちのちに使徒としての義務で、幼女神様を信仰する教団とかを発足するとして。
幼女神様は神格として不可侵な存在になると、気安さを求める人の為の象徴が必要になってくる。
そこでサラを司教である俺の妹分として────教団のアイドル的ポジションに立たせる。
太陽のようなサラの明るさは、男連中のみならず、
きっと老若男女全ての人たちに愛されるだろう。
週に一度コンサートを開いたりすれば、
信徒獲得にも繋がるし、教団の利益をあげることにも繋がる。
悪巧みが広がりんぐって奴だ。
ただそういうことをさせると、親友とかの心を許せる人間がサラに少なくなってしまうだろうな……
けど、そこは精神制御だけは得意な俺が兄貴分として支えてやれば済むことだ。
いや、でも、子供の頃は元気なほど、後でおしとやかになるという例も多いし。
しっとりした落ち着いた雰囲気になるというのもありだよ?
俺が仕事で疲れたときなんかに飲み物とかを持ってきてくれて、
つい、からかいたくなって、彼女の胸やわき腹やらを指先でちょんっと突付く。
んで、
「あっ、お兄様、おいたは駄目ですよ? めっ!」
とか、にっこり上品に微笑みながら言い出したら最高じゃねえ?
そんなことをされたら、多分俺はサラの頭をワンコ耳ごと思う存分モフってしまうに違いない……




