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第7話 説得

 

 

 

「食べたんですね……しかもポテチをぜんぶ」


「食べてないもーん」



幼女神様は誤魔化す姿勢を曲げるつもりはないらしい。ナント嘆かわしい。


教育係として任されてから早10年、このまま性格が歪んだ女神様に育ってしまったら、亡くなってしまった旦那様と奥様に爺やは顔向けできませんね。



「本当ですか?」


「ホント……」



ふむ、言動が小さくなる事や細かい態度などからみるに多少後ろめたさはあるようですな。


更生の余地はあるようです。ならば少し揺さぶりをかけてみましょうか。



「お嬢様、わたくしめはあれらを全て食べてしまったことを責めているわけではないのです。むしろお嬢様の身を案じているからこそ、真実を話していただきたいのです。もし食べてしまったのなら本当にほんとうにホントーウに大変なことがお嬢様の身に降りかかるのです」


「え……」


「お嬢様、気を確かに持ってよく聞いてください。まず第一にあれらはジャガイモというイモ類から出来ています。イモ類は炭水化物という過剰摂取によって脂肪になりやすい栄養素から主に成り立っています。つまり太るのです。しかも悪いことに胸ではなく二の腕やお腹がです」


「うん……」


「次にカラっと揚げるのに植物油を使用しています。これらは脂質です。こちらも基礎栄養素の中では非常に脂肪になりやすいもので注意が必要です。つまりめっちゃ太るのです。それはもう見事なほどに」


「…………」


「そうそう忘れていましたが、イモ類は腸の中でガスが発生しやすく、大量に食べてしまうと……淑女としては恥ずかしいことにおならを撒き散らすマッスュィーンになってしまいます。それはもうブーブーと!」


「え……」


「特にピザ味と記してあった袋、あれは我が古の祖国では『ピザデブ』という世にも奇怪な太り病を誘発する魔の食べ物なのです。勿論、爺めの忠告通り2袋までしか食べなかった良い子であれば問題はない量なのですが」


「……良い子はだいじょぶ?」


「ええ。良い子は大丈夫です。なにしろ2袋というのは爺めがお嬢様の基礎新陳代謝から華麗に計算して弾きだしたお嬢様のお嬢様によるお嬢様のための数値ですから。用法用量を守って正しくお使いくださいということです」



俺は大げさに両手を斜め上に広げるようにして、自分の論が正しいことをアピールする。


イメージとしてはカラテキッドのあのポーズの手首を曲げないバージョンに近い。


更に駄目押しとばかりにビッと人差し指をあげて追撃をする。



「しかし…………良い子でなかった場合は!」


「ば、ばあいは?」


「ハート様になってしまうのです!」


「……ハート様?」


「わたくしめの記憶をご覧いただければわかるでしょう。あの存在感、こればかりは爺やをもってしても言葉で語りつくせる自信はありません」


「……うん」


「…………」


「…………」


「…………」




「…………」


「…………」


「うええええええぇぇん、ハート様いやぁぁぁぁぁぁぁ」





 

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