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第64話 都合

 

 

 

ふう……ふき出すのは何とか阻止したよ。



突然インスピレーションが湧いてきて────


〈BE COOL AND COOL〉の呪文と共に魔力発動を意識したら冷静になった。


でも多分、笑いを止めるのに魔法を使ったアホは歴史上俺だけだ。





「…………やつらは子供の頃から特殊な薬を用いて洗脳された暗殺者集団だ!」


おっさんの厨二病はいまだ続いていて止まる気配も無い。


だが、もう飽きた。


情報は全部引き出したいけど、もうこの危険なノリはいらん。


いつまた俺の腹筋を崩壊させて来るのかと気が気でないし。


必要な事柄は後で拷問にかけて聞き出せばそれでいい。



食料の中に混じっていた正露丸のビンを異次元バッグから取り出して一粒を手に取る。


あいかわらずよく開くおっさんの口の中めがけて、パープルウルフで練習した指弾をぶち込む。


当然、弾は相手の健康にも気遣った俺の愛とサービス精神にあふれた、


────ラッパのマークの正露弾丸だ────





「ゲホッ、ガハッ!」


「さて、こいつの話はもういい。必要な分はもう聞いた。会議の邪魔になるから誰か猿轡でもかけておけ────」


気の利く補佐役がさっそく動いてくれる。


俺の彼への好感度がアップした。


腐女子には悪いがなんのフラグも立たないけど。



「さて、おそらく皆は誤解しているだろうが、所詮敵は金目当てだ。ただの一般市民を無駄に害する意味の無いことはしまい。しかも日陰から出られない、正面からは戦えない臆病者の集まり。故に、財宝さえ処理してしまえばやつらは路頭に迷うだけ!」


今はもう騒ぎも一段落して、皆は何かすがるものを求めているような雰囲気だ。


つまり、そういう求めている頼れる雰囲気のみ演出すればいい。


内容はあった方がいいが、二の次。


そもそもの、この騒ぎを引き起こした張本人である俺に対して矛先が向かないウチにすばやく畳み込む。


まあ事前にイケニエを出して抑制力を高めてはいるのだが、それはそれとして油断はしない、出来ない主義なのだ。



「そこで────確かフランツ殿だったかな。王都で商会の代表をしていたという……」


「私でしょうか?」


「ええ。お聞かせ願いたいのだが、現在この街には多量の財宝や芸術品等が存在する。そこでこれらをいったん洗ってしまいたいのだが、そのツテなどに心当たりはないでしょうか?」


「む?…………洗う……ですか?」


「ああ、すまない。ここでは通じにくい表現でした。商人であれば無意識に行っている技術のひとつであろうが、売ってしまったりしてまったく別の価値あるものにかえることです」


「なるほど、洗うですか。言いえて妙ですね。なるほど……」


「持ち運びやすい金目のものを財産として持ってしまっては、取り返しにこられる。だが、出来るだけ複雑にしてしまえば、多くの人間と繋がるようなものにしてしまえば、もう取り返すことも不可能になる。つまり例えば店舗、もしくは土地のようなものを買うのです」


「確かに……店や土地の権利書は本人でないと証明にもなりませんし、紛失しても簡単な手続きで発行できます。よい案です」



街の人間は大部分が話しについて来れないようだ。


まあ教育を受けていないと、こういう話にピンと来ないのもしょうがないのだが。


しかたない、サービスで適当に説明してやるか。



「さて、話しが理解できない者も多いだろう。そこで今からわかりやすく説明をする。よく聞いて欲しい」


「諸君らが宝石をひとつ持っていてそれを盗まれたとする。盗んだ者がすぐさま店に売りさばくと、こちらが宝石を取り戻したくても、もう店の物になって手出しも出来ない」


「つまりこれと同じで、財宝を使って別の物を買ってしまえば、もう取り返せないと言うことだ」


ある程度納得した者が声をあげる。


微妙に違うんだが、そこはそれ、所詮人間は本質を求めない。


そこまで神経質な人間が多いなら、皆が学者にでもなってるさ。





あれから────元商会の代表と暫くは話をし続けた。


そうしてとりあえずツテに心当たりがありそうだと言うことで、


詳しいことはまた後で相談することにした。



「さて、最後に、実際に真紅の亡霊団が現れた場合に対処する方法なのだが、現時点でいくつも案は存在はする────だがこれらはエルフ側がどう出るかによっても話しは違ってしまう」


街の人間はもう大きな反応も無しだ。


まあ傍であれだけ理性的な話し合いが次々でてれば、取り乱すきっかけすらも作りにくいだろう。



「そこで先に聞いておくことにしよう。さて、ティー。君らのこの問題への対処はどのように考えている?」


「も~、聞かなくてもわかってるでしょ? 意地悪なんだから~」


「…………」


「借りを返す相手がわざわざ向こうから来てくれるのよ? これほど好都合なことはあるはずないじゃない~」


「ふむ。ということは……」





「当然────迎撃戦よ────!」





(胎界主も真っ青な予想通りの流れ、《エルフ魔術師軍団vs忍者軍団》ってとこか。これまた随分と楽しそうじゃないか……ワクワクしてきた)





 


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