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第47話 捜索

 

 

 


「静かに。今から神よりの啓示をお話します」



静かにと言ったのに、早々にわずかにざわつく人々たちだが、十秒程待って静かになったのを見計らって次の言葉を続ける。



「皆さん、神は怒っておられます!────皆さんの中に神の意思に背いた行為をしているものが存在するからです」



いったい誰が!とかそんな馬鹿なとかもう終わりだといった声が聞こえ出す。



「その者は自分の苦痛を安易に他者へとぶつけて解消する方法を選んでしまった────そう、その者に、本来この街を豊かにする使命を与えられたものが迫害されているのです」



ざわざわと皆が騒ぎ出す。ここでもっと心に響く直接的な言葉で追撃をかける────!



「その者の所業のせいで、今、あなた達の困窮があるのです!」



これに釣られて、許せないとか今すぐ救い出さなくてはとかの意見が出まくる。



「今からこの街の家々を全員で捜索します。悪魔を特定して捕らえ、神の祝福を与えられたものを助けにいきましょう!」



「そうだ! 今から皆で救世主様についていくんだ!」


と纏め役の人も煽ってくれる。ナイスフォローだ。



「僕もお供をさせてください!」


推定補佐役も乗ってくる。この場の雰囲気なら、まあそうくるだろう。



「悪魔を捕らえろー!」


「皆で神の使いを救い出すんだ!」


「おおっー!」


「おーっ!」





それは捜索をはじめて、ちょうど4件目の出来事だった。



家主を伴っての家捜し中。


寝室のベットの横。


そこの壁の所に不自然な段差があることを、補佐役の人が発見した。



「なんでしょう、ここは。怪しいですね?」


「ああ、そこはっ!」


(なんだ? どうした?)



「そこには、そこには僕の宝物があるんです! どうかお願いですっ 男として大切なものを奪わないでください!」



俺はあの補佐役と顔を見合わせ、コクリと肯きあう。



「やれ」


「あああっ!」



仕方ないのだ。特別扱いは出来ない。俺は心を鬼にして突き進まねばならないのだ。


修羅だ。俺は孤独な修羅なのだ。



「なっ、コレは!」


「何だ? 何があったんだ!」


「こっ、こんなものが!」



なんと〈授乳プレイ・マニアックス〉の表紙がこちらに向けられている。



「これは……」


「……」


静かに、皆が皆、マズイものを見たというような雰囲気へと移行していく。



(しかしなかなかいい趣味をしてるな……こんな時でなければ男としていい友人になれたものを……)



「うむ……ま、まあなんだ……気を落とさずにな」


「うっうっう……お婿にいけない……」


「馬鹿やろう。男なら胸を張ってどうどうとしてろっ」


「そうです! これ僕も欲しかったんですよ。確か限定版とかで」


「俺は知らなかったがこっちの女性は好みだな」


「そうですか? 僕はこちらの方が……」


「俺はこの太腿がいいっすね」


「しかしこの胸も捨てがたいぞ?」


「いや、このうなじが……」





その後も若干名、貴い犠牲者が出たが仕方あるまい。


不可抗力といえるだろう。


しかし、なんだ……皆こういうもので欲求を解消してたのか。


これはこれで一応は善人と呼べるだろうな。うん……


後で貸してもらおう。





さて、次にいくか。


まだまだ捜索は終わらない────





 


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