第28話 交流
最近は俺の泊まっているファンシー宿屋のそばには常にあの子供らのひとりが待機している。
俺が迷宮から出たとき、帰ってきたとき、連絡をつけるとき等、密に交流が出来るようにしているからだ。
また買い物に出かけたりするときにはその子供に案内を頼んだりして一緒についてきてもらい、その際に色々と話し込んで情報を引き出す。
一緒に買い物をして小遣いとして核も渡したりする。
これらのせいで徐々にこの街の情報と、あいつらの顔ぶれを覚えていっている。
今は少しやつらとの付き合い方を変えた。
代表者であるイケメンやチビ猫耳巨乳には通常はきびしく、時に大胆に利益を与え。
他の小さい子供らには、それが少人数の場合は時々優しくと父親や兄がわりのように接し、
しかし人数が揃っているときには威厳を保つため怒るような口調を使う。
集団相手が一番暴走が恐ろしく、制御力が必要だからだ。
それに少人数の時の対応での、優しくした個々の相手の気の緩みを正すのにも役に立つ。
「ほんとにいーのー?」
「ああ、買ってやったんだ。あたりまえだろう」
「ありがと!」
こちらを振り返りつつもタタッとかけていく小さな女の子。
日中は日差しが強いので、ここだと帽子は結構必需品なのだが、
この子の帽子があまりにもボロ過ぎたので洋服屋で安くてデザインの悪くないものを選んで渡したのだが、気に入ってはくれたようだ。
関わる人数が多くなると、いろいろとトラブルが増えるようだが、なんとかうまくやっている。
「そういえばお前の名前なんだったか」
「ジルです」
「ああ、そう、そうだったな。〈じる〉か」
「あってはいるのですが何か少し違うような感じがしますけど」
「ん? 〈汁〉だよな?」
「えっと、はい……」
汁は少し納得がいかないようで首をかしげている。
ふっふっふ。当然だ。この呼び方には呪いがかかっているからな!
まー、イケメンとかカッコいい名前とか使って呼んでると精神が微妙に削れてくるから、この呼び方が丁度良いや。
「で、お前は?」
「カフェです」
「カフェ……つっこみにくい名前だな」
「別にその必要は……」
「ああ、可愛くて良い感じの名前だ」
「……」
「そういえば母親の様子はどうだ?」
「あっ、最近は良くなっています。顔色もいいし、言葉数も多くなって。なんでも夢の中で天使さまをみたとかで」
(……マイナーヒール連打でそういう雰囲気に包まれた影響……とかかねえ。俺には宗教とかにはまる、よく日本でいた新興宗教の信徒のあの雰囲気は理解しにくいが。まあ生きる気力になるなら一時的にはそれでもいいか)
しかし、汁とカフェ、つまり味噌汁とコーヒーってこったな。
両方、飲み物系かよ。




