⑤
今日は、今年一番緊張する月曜日だった。
テスト期間でもなく、生徒会長を決める時期でもないが、今週は、先生たちが能力測定に参加する週だった。
どの科目を担当するのかの参考として、定期的に測定が行われる。
本来、先生には「不参加」という選択肢もあるが、学生の期待を察していたのか、それとも別の理由があったのか、今回は参加した。
だが、彼のクラスの学生たちは思ったより勤勉だった。
知りたいことを自分の手で確かめようとする者が多い。
そして彼らは、結果が出る前に知りたがっている。
今はまさに、その時だった。
「ねえ、俺たち、先生に測定シール貼らない?」
先生の後ろ姿を見てこっそり言い出す黒木だった。
「は?」
驚いた声が上がるが、黒木に合わせて、こそこそと会話を続けた。
「黒木、やる?」
「俺はダメだ!」
「なら誰かやる?!」
「神原、お前がやる!」
「なんで僕が?!」
「白栖先生観察組のリーダーだろ?」
「誰がつけたんだよ、このダサい名前!」
「自分でつけただろ!早く行け、みんなお前に頼ってる!」
黒木はどこからか一枚の測定シールを取り出し、結真に押しつけた。
軽く結真の肩を叩いた。
測定シールは多少誤差が出るけど、今の場合は逆にいいかもしれない。
今、先生は学生名簿のページをめくっている。今は本当に集中しているらしい。
『今しかない!』と結真が深く一度息を吸い、測定シールを先生の背中にパッと貼った。
……一瞬だけ白栖の動きが止まった。
(やばい、力が入ったか?)
そう思って結真は恐る恐る彼を見た。
「……そろそろ授業を始めましょう。結真くん、座る席はないのかな?」
白栖の優しい目つきはいつもと同じ、まるで何もなかったかのようだった。
測定シールを後でどうやって回収するか悩んでいた、その時だった。
測定シールは微かに燃えた。
「わ!先生!服が燃えている!」
「うん?あ……大丈夫です。そろそろ消えます」
その一言のあと、火は本当に測定シールとともに消えた。
学生たちはざわつき、とても授業どころではない。
「ありえない!」と結真は思わず叫んだ。
「どうしました?」
「い、いいえ、その……」
「測定シールは消えましたね」
「驚くほどのことではありませんが……説明しましょうか?」
学生たちの目が一気に輝いた。
「ぜひ!」
「お願いします!」
「知りたいです!」
「まず、測定シールは後ろからでは正しく測定できない場合があります」
「じゃあ、どこから測るんですか?」
「心臓、かな?」
結真は言葉も出ない。
「でも、『消えた』のも結果の一つです」
「……ってことは?」
「測定シールは、人にしか使えないはずでしょう?」
「そうなんですか?」
結真の額に冷や汗がにじんだ。彼はまだ、「先生の言葉は冗談なのか、それとも事実なのか」を考えていた。
学生たちの問題は止まらない。その中で、皆が一番知りたがっているのに、先生が答えていないただ一つの質問は――「先生は龍ですか?」と。
その問いだけは、先生から答えが返ってくることはないと、結真は思った。
***
諦めが悪いのは、結真の悪いところだった。
次に白栖先生の授業があったとき、結真は一つの石を教室に持っていった。
それは、稀少な測定水晶らしい。
それは、結真の従兄が、彼が神秘的なことに興味を持っているからと送ってくれたものだ。
今回、結真は授業の後に白栖先生に聞くことにした。
「……先生、一つ聞いてもいいですか?」
「どうぞ」
「……先生の序列を知りたいので、少し手をお借りしてもいいですか?」
「……この水晶の上に手を置けばいいんですね?」
「はい!そうです!」
「わかりました」
そして白栖先生は本当に手を水晶の上にのせた。
ほんの数秒で、結果が表示された。
【序列凍結 ·現行序列構造適用外】
結真は驚きのあまり、動けなくなった
「結真くん、もう一つ、いいですか?」
「は、はい!」
「この水晶、鳴ってるから、気を付けてね」
「?」
結真が水晶を見つめると、確かに微かな音がしていた。
「気を付けてね。石も生きているから」
結真は言葉が出なかった。
彼は先生が冗談を言ってるのか、事実を述べるのか。
これは先生しか知らないことだ。




