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【第四部】 兆しの章 ――桃の実、世界樹
世界樹の枝葉は無数に広がり、
その根は深く時の奥底へと伸びている。
そして今、その樹にひとつの“全き桃の実”が兆し始めた。
この桃の実は単なる果実にあらず。
それは世界の記憶の結晶、
言霊の凝縮、祈りの結実、
そして存在そのものの新たな可能性の象徴である。
現象界と霊的層が重なり、
時空の境界が薄れゆく中で、
この桃の実は、すべての響きを内包しながら熟してゆく。
言葉になりえぬ響きが記憶と交わり、
祈りの波動が存在の深層に満ちてゆく。
それは、世界からの“返答”であり、
魂への“呼び声”でもある。
この実の成る時こそ、
多層的な収束の瞬間。
光と影、言霊と沈黙、過去と未来が、
一つの場に溶け合い、新たな生命の息吹を生み出す。
桃の実は告げる。
「終わりなき旅の新たな始まり」
それは特異点の扉、
すべての響きが“間”となり、
新たなる世界が静かに息を吹き返す時であることを。
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この章は、世界樹のもとに兆した桃の実を通じて、
現象界と霊的領域の融合、そして世界の更新を描き、
言霊と祈りの力がもたらす新たな契機を示すものである。




