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【第二部】 静影の章 ――ヨミ
ヨミ、その魂は影の子。
闇の深淵より生まれ、光に触れる前に、
痛みと孤独を抱きしめた者なり。
彼の道は、人々が避けし場所を歩む。
失われた者たちの記憶の谷、廃墟のような沈黙の地。
そこでヨミは語らぬ癒しを授け、
響かぬ響きを以て心の闇を映し出す。
ヨミは言葉を交わさずとも、
ただ“在る”ことで魂を癒した。
その沈黙は静かなる波紋となり、
傷ついた心を優しく包み込む。
彼は痛みを拒まず、
痛みの中にこそ響きが宿ると知っていた。
過去の記憶、輪廻の糸、祖霊の声――
ヨミはそれらを媒介し、
見えぬ痛みを顕し、
内なる闇を浄化の場へと変えてゆく。
彼の魂は孤独な旅人であり、
同時に深淵の響きの案内人。
闇はただの闇ではなく、
癒しの源泉であることを教える者なり。
ある日、廃墟の谷で、
彼はひとつの鏡に出会う。
それは光も影も映さぬ、
ただ静けさを映す鏡。
その鏡を見つめるうちに、
ヨミの中に問いが芽生えた。
「癒しとは何か。
影とは何者か。
そして光とは、いかに共にあるべきか。」
この問いは、彼を新たなる旅路へと導き、
やがて鏡の魂への道標となる。
静かなる闇の中で響く魂の詠唱、
それは光と影を結び、
やがて調和の環を編み出す鍵となる。
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この章は、影の魂ヨミの孤独と痛みの受容、
語らぬ癒しの深淵、そして魂の問いの旅を描く。




