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episode 5 『並行世界』

俺は転移魔法によって、街の外までやってきた。


「...これは!!」


街から離れた遠くの方を見てみると、砂埃が舞っている場所がある。...砂埃の大きさじゃないか。


それはだんだんとこっちへ近づいてきた。


「兄ちゃん!!飯はどこだァ??!」


さっきギルドに居た男だった。


「飯?あれが...?何を言っているんだ...」


「あぁ、それはだなァ、こいつから取れる肉がとんでもなくうまいんだよなァ。討伐したら一緒にどーだァ?」


「てかあんたァ、すげぇ足早いんだなァ。一番乗りじゃねぇかァ」


そんな話をしていると、他の冒険者が続々と街から出てきた。

さっきギルドに居なかった人たち含め50人ほどだろうか。


「おそらく、あの砂埃の位置にいると思われます!」


「なるほどなァ、まあまだ初心者冒険者のあんたは見ておくんだなァ。俺たち冒険者の実力を見せてやるぜェ!」


「お前らァ!!気合い入れろォ!!!」


「うおぉおおおおーー!!!」


すごいな、この人、こんな大勢の人たちをまとめて士気を上げるなんて...


ーーってちょっとまてよ?


向こうから近づいてくる砂埃。


おかしいな、さっきの形から分裂している。


そう思って居たら、2つから4つへ、4つから8つ...


「まさか...!」


「大群です!!しかも10体以上はいますよ!」


「なにィ??それは本当か!!」



街と同じくらいの広さに別れ、10、いや20あるだろうか。

あれが本当に魔物の移動によるものだとしたら、あの砂埃1つ1つに1体のサーブルキングがいる。。ということになってしまう。


いや、いくらなんでも流石に多すぎない?


こっち50人なんですけど!!

あのでっかいの2、3人だけで倒せと?!?


流石に無理があった。見た限り、10メートルはある魔物だろう。


「あんな大群、、止められないんじゃないか?」


「いくらなんでも、、多すぎるわよこれは、、」


周りにいた冒険者たちのテンションが下がるのがわかる。


「流石の俺でも、ここは厳しそうだなァ...!」


もうあとわずか100メートルほどだろうか、かなりのスピードで突っ込んできている。


くそ、こうなればやはり俺もたたかうべきだ!!


とはいえ、攻撃手段がさっきギルドでもらった、

ザ・初期装備の木の剣のみである。



「...こう言う時のスキルなんだよな!!」


「それじゃ、"こいつらを一網打尽にできるスキル"を!!」



「...スキル『召雷(ライトニングストライク)』を、獲得しました。

「効果ーーー」」

「ーーーそんなの聞いてる場合じゃない!」


「スキル発動!全ての敵を穿て!『召雷(ライトニングストライク)』!!!」


すると、空が突然薄暗くなり、真っ暗の雲が空に渦巻いていた。

そして次の瞬間ーー


...ズドォオオオン!!!


眩しい稲光と共に、轟音が鳴り響いた。


眩しくて目を瞑ってしまったが、次見た光景はこうだった。



「...!!、すげぇ...全部倒したのか!?!?俺が!?」


しばらくずっと、魔物たちからは何も反応を示さなかった。


ウワァァァァ!!!


周りから、歓声が湧き上がった。


「まさに俺たちの英雄だ!!」

「まさか1撃で仕留めるなんて!!」

「こんなのすごい以外の言葉が浮かんでこねぇぜ!!」


みんなとても喜んでいる。飛び跳ねたり、ハグしたり...


...俺もみんなの役に立てたってことか??


「兄ちゃん、めっちゃ強えじゃねぇかァ!!まさかあんなすげぇ技を使えちまうなんて、思ってもなかったなァ!!」


すると、周りの人たちが俺を取り囲み、胴上げを始めた。


...こんな清々しい気分、初めてだな!


こうして俺は、街を救った英雄として、この街の人々から歓迎されたのであった。




その日の夜。。。


「ぷはぁー!いやーやっぱりこいつのがいっちゃんうめぇなァ!」

「ほら、今日は俺の奢りだァ!どんどん食えよなァ!」


「ありがとうございます!!いただきます!!」


一番最初に取ったものは、倒した魔物からとれた肉を塩焼きにしたものだった。


!?!?


なんだこれは...!?シンプルな味付けなのにめっちゃ美味い。。

今まで食ってきた魚や肉より、弾力があって深い旨味と。。♪


話は本当だった。口いっぱいに広がる旨みが、体の疲れを根こそぎ取ってくれるかのような気持ちだった。


「これ、めっちゃ美味いです!!」


「そうだろォ??よかったァよかったァなァ!」



「あ、俺、今日この街に初めて来たんですけど、お金とか全然なくて...ギルドでいい収入源になる依頼とか、あったりしますかね...」


「そうだなァ...いろんな小型の魔物の掃討がコスパがいいと思うぜェ。10匹で一万、群れてるから百匹倒せば何日かは暮らせるくらいの金は稼げるぜェ。あとは竜などのボスモンスターと呼ばれてるやつらなんてのは、一匹で数十万なんてこともあるんだなァ!」


「ちなみに一番たけぇのはだなァ、やっぱり魔王討伐だなァ」


「え、魔王ってやっぱりいるんですか!?」


「なんだァ?そんなことも知らなかったのかァ?いままでどうやって生きてきのかが知りたいくらいだなァ」


「魔王はな、約1000年前に、当時の勇者一向によって封印されたんだなァ。だが今から50年前、魔王の配下たちが、また復活させやがったんだよなァ。ったく、迷惑なことするよなァ」


「ま、あんたならもしかしたら倒せるのかもしれないがなァ、期待してるぞ、兄ちゃん!」


たしかに、スキルを自在に生み出すことのできる俺になら、魔王を倒すことなんてわけないんじゃないのか?!?!


「魔王討伐、か...考えてみることにします。」


「とりあえず、今日はありがとうございました!」


「おう!てかいつまで敬語なんだよなァ!ま、お互い死なないようにやってこうぜ!兄弟!」


この瞬間、俺はこの世界に認められた気がした。


「それじゃ、また!!」




今夜はギルドの宿泊施設に泊まっていくことにした。

自分の部屋でふと、前世のことを思い出す。


「俺が死んだあと、翔也はどうなったんだろうな」


「ま、そんなこと考えても知る方法もない、か笑」



「クロススキル『並行世界(パラレルワールド)』を、獲得しました。」


えーっと、特に頼んでないけど?!


てか何に反応してつくられたんだ、、?


「効果「あらゆる時間軸、世界の情報に干渉する」

 発動条件「求める情報を要求」



... ... スキルランク『ルシファー』」ーーーーーー



...このスキル、もしかしてこれを使えば、翔也のこともわかるってことなのか?!


なら、使ってみることに越したことはない。


翔也。。。頼む、無事であってくれ。



... ...





......干渉失敗。対象の存在を確認できませんでしたーーーーー






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