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episode4 『起死回生』



まだ...死ねない! 



... ..."死にたくない"ーーー


俺は死を覚悟する。目を瞑る。


次に目を開けた時、目の前に広がっていたのは、天国でも、地獄でもなかった。砂漠だった。


「ーーー... ...ッッ!!?」


(死んで...ない...?)


完全に死んだと思った。痛みもない。なぜだろう...



そして、そんなことを考えていた、次の瞬間... ...


「...ライフフォーススキル『起死回生(ドッジングモルテ)』を、獲得しました。」


「効果「直面している死の回避」

 発動条件「常時発動」

 スキルランク「ベルゼブブ」スキル階級・第四位 」



(...つまり俺が生きてるのって...)


そう、このスキルが死ぬ寸前に生成されたのだ。


そして、まだなにかある。


「『起死回生(ドッジングモルテ)』の効果により、キャメロンの大群からの回避時、『空間支配(エスパースヘルシャフト)』が自動的に発動されました。」



つまり、俺が死ぬ直前に、スキルが自動でスキルを発動させ、テレポートして回避した、、、といったところだろう。



(というか、このスキルの存在は知ってたわけだし、もっと早くにテレポートすればよかった...)



というわけなので、こんな危険で不便な砂漠からはさっさとおさらばしてしまおう。


「ーーー転移、始まりの街へ!」



あたりが青白い光に包まれた。


そしてーー


「...おぉ...すごい...これは!!!?」


気づけば自分が立っていた場所は、街の中心らしき広場だった。


広場の中心には大きな噴水があり、あたりは建物や店だらけで賑わっていた。


「この世界にも、人間が存在していたのか...!!」


感動と共に安心を覚えた俺は、次なる目的地を設定した。


「魔物のいる世界、冒険...ならあれはつきものだよな!」


「ーー転移、"ギルド"へ!」


そうして俺は街のギルドへやってきた。


建物の中に入る。すると、中には屈強な漢たち、そして少し露出の多い、まさに冒険服、を着ている若い女の人たちがいた。


「すごいな...みんな強そうな人ばっかりだ。」


すると一人の男が、座っているそのテーブルから話しかけてきた。


「兄ちゃん、初めて見る顔だなァ。ここのギルドは初めてかァ?」


「ここはなァ、この街 "フリーデン" のギルドなんだなァ。街の依頼から討伐依頼なんてのも、こっから受注して受けることができるんだよなァ」


やはり、ここは想像通りのギルドだった。


「冒険者になりてェなら、あっちにあるカウンターにいる銀髪の姉ちゃんに言えば、登録ができるんだなァ」


「そうですか、ありがとう!」


俺はお礼を告げて、カウンターの方へと足を運んで行った。



(それにしても、この街は綺麗な場所だよな。"フリーデン" ...まさに最初の街、って感じの雰囲気で、こういう場所好きだなぁ)


「ようこそ、フリーデンのギルドへ!冒険者の登録でしょうか?」


ハキハキとした声で、銀髪のお姉さんが言う。


「はい、登録をお願いしたいのですが...」


「では、こちらのお部屋へどうぞ...」



そう言われ、俺はカウンター横にある部屋の中へ誘導された。


「それでは、ここで服を脱いでください」


ちょっとまて!?!?

異世界に来て早々、もしかして最初の街でもう、あんなことやそんなことが!!?


「え、えーっと...どうして服を?」


戸惑いながら、答える。


「一人で脱ぐことが出来ないのなら、お手伝い.、私がいたしましょうか?ーー」

「ーーいいえ結構です!!!」


食い気味に、反射的にそう答えてしまった。(あー...)


「左様でございますか!」


そうして彼女が部屋から出る。


俺は不思議に思いながらも、服を脱いだ。そういえば、まだずっと制服のままだったんだな...


「...準備できましたかー??」


ドア越しの声に、「ーーはい…」、と返事をする。



すると、すごいことが起きた。

なんとまあ、みるみるうちにつま先から腰、胴体そして首元の順番でどんどん下の方から、あたかも冒険にふさわしそうな装備一式ができていったではないですか。


「すごいな...これは...」

  

そう思いながら、さっき変な妄想を拗らせた自分を殴りたかった。


ドアを開け、彼女が入ってくる。


「どうですか?この部屋では冒険服にかんたんに着替えることができるんですよ!すごいでしょ!」


なんか口調が若干かわって素が見えかけたが、これには確かに驚いた。



「ぴったりだし、ちょうどいいです!」


「気に入られたのならよかったです!」

「私、このギルドで働かせてもらっている、"ナニ"と言います!これからよろしくお願いしますね!」


「俺、雅也っていいます。よろしくお願いします!」



部屋の外に出ると、次に能力検定が行われるようだ。


「この手の形をした像と握手をするようにしてもらえますか?」


てっきり水晶や、スキルで鑑定する感じかと思ったが、なんか不気味だ。


「...あれ、おかしいな。もう一度お願いしてもいいですか?」


もう一度手を離し、握る。


「やっぱり...間違いじゃないのかなぁ...。というかだとしたらとんでもない強さの人なんじゃ!?」


なにかとても慌てているような様子だった。


「あの、どうかしたんですか?」


「その、ですね。この検定をすると、強さをもとに、初期時点の冒険者ランクを調べることができるんです。でも、この結果は...」


不具合でもあっのか?と思ったが、そういえばさっきとんでもスキルを入手しまくったばかりだから不思議でもないのかもしれない。


「冒険者ランクは下から、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、そしてレジェンドの5段階に別れているんです。鑑定結果は、「レジェンド」と出ているんです。」


「あなた本当に初心者の冒険者ですよね?!?!と言うかどこから来たんですか!?」


別の世界から転生してきた、なんてたぶん伝わらないだろう。


「ちょっと遠くにある、小さな村です。」


ーーめっちゃ嘘ついた。


「そうですか...移動方法はキャメロンですか?」


あ、さっき俺を襲ってきた奴ら、ウマみたいなものだったのか。


「いえ、スキルで転移してきました。」


「ててててて、転移してきたぁぁーーーっっ??!」


あまりにも驚くので、こっちも驚いた。


「そりゃあレジェンドって出てもおかしくないかも...」


もしかして、転移スキルって結構上位のレアスキルなのだろうか。


と思っていた矢先、


「緊急!緊急!街の南西にサーブルキング出現!!出撃できる冒険者は、撃退に向かってください!!ーーー」


突然頭上から声が聞こえ、な、なんだ、緊急事態なのか??



ギルドの中にいた人たちは慌ただしく装備を整え、外へ出て行った。


「俺も、行ってきます!」


「ダメだよ!まだ初心者の冒険者なんだから!」


「でもレジェンドって出たんですよね??」


「まあ、それは確かに...」


「大丈夫、ちゃんと帰ってきますから!行ってきます!」


『き、気をつけて!』



そういって俺はギルドを飛び出した。



「転移、街の南西、標的の元へ!」


そして、あたりが光に包まれたーーー


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