episode3 異世界へ
「それじゃ、いってらっしゃーい!」
天使のその声と共に、俺は七色の光に包まれた。
眩しくて無意識に目を瞑った。
そして、その光の中、次に目をあけた時、そこにに広がっていたのは...
「...あれ?普通、転生したら最初の街の中とか、平原とか、そう言うところじゃないっけ...?」
「これって... 砂漠...だよな」
あたりには砂の他に何も見えない、ただ広いだけの砂漠の真ん中にひとりぽつんと、天才を果たしてしまったのである。
(あ、暑い...いくらなんでも暑すぎる...しかも水も食料もあるわけないし...)
あれ、これ俺死ぬ?
転生1分で新生活終了?
...と、少しは思っていたが
「というか、そういえば、貰ったスキルがあったじゃん...」
「でもそうだな、スキルの発動条件がわからない以上、まだ使いこなすのは難しそうか... こう言う時に、そう言うスキルが欲しいよなーぁ」
そう思った矢先...
ピコンッ...
目の前に文字が現れた。
「スキル『能力理解』を、獲得しました。」
「効果「スキルの特性の解析、使用条件、ランクなどの詳細情報
を瞬時に理解する」
発動条件「常時発動」 」
「え、これって、今俺がスキルを1つ、作った、ってことか...?」
(...こんな簡単に?!)
なんと、本当に少しでも望んだら、スキルが手に入ってしまったではないか。
「なるほど...これは思っていたより便利だぞ」
せっかくなので、手に入れたスキルを使って、持っているスキルを解析してみた。
「クリエイションスキル「能力創造」」
「効果「望んだスキルの生成(現在レベル1)」
発動条件「想像することで、その望みをかなえるスキルを生成」
スキルランク『ルシファー』。スキル階級・第一位 」
「スキルランク『ルシファー』... 。階級第一位って...最高ランクってことか?」
やっぱり、おかしい。序盤でもらえるスキルの域を超えている。
「まあ、それはそうとして!」
よし、この窮地を脱するスキルを作ろう。
そうだな、まずは水か...
(それじゃ早速。"水が飲めるようになるスキルが欲しい"!)
...ピコン。
「ーーースキル『水操作』を、獲得しました。」
「効果「水の生成、範囲内の水の操作」
発動条件「水操作を唱える」
スキルランク『メドゥーサ』。スキルランク・第十位」
おそらく、唱えると言うのはスキルの名前を言うだけなのだろう。
「...水を生み出せ!水操作!!」
そう前ににてのひらを伸ばした。
そして、その先に空中に、水の球が作られた。
「うおっ!すげぇ!本当に水ができた!!」
しかし、
...バシャンッ
あ、やってしまった。注意が逸れ、水を砂に落下させてしまった。
てか、このままじゃ飲めないじゃねぇか!それなら...
「コップを作り出せるスキルが欲しい!」
「ーーースキル『土操作』を、獲得しました。」
「効果「土の状態操作、変形、周囲の土の操作」
発動条件「形状、状態を想像する」」
スキルランク『ラーヴァナ』。スキル階級・第九位」
入手した瞬間、先ほどから頭の中にあった、簡単なコップ会場が、生成された土で形作られていく...
「早い...!すげぇ、ちゃんとコップになってる...!」
と言うことはここでーーー。
「水操作[アクアレイン)!!」
コップの上に大きな水滴が現れる。
そのまま、コップの中へ落ちる。
「ぷはぁ... 生き返る〜...」
これで水の問題はなくなった。。だがまた、次の問題が目の前に現れた。
「なんだ...?なにかこっちに向かってくる...」
砂漠の中央にいる俺の方向へ、遠くからすごいスピードで何かが大群でやってくるのが見えた。
「もしかして... これが、この世界のモンスターなのか?!」
もうすぐそこまでやってきているのが見えた。
(やばいやばい、どうあれを乗り切ればいいんだ!?)
あんな大群に飲まれたらーーー
"早く逃げないと"
「ーーーアメイジングスキル『空間支配』 を、獲得しました。」
「効果「空間操作、天候操作、空間同士の接続、粒子・原子操作、 マナ操作、他、空間に纏わる一切合切の支配。」
発動条件「要求を想像」
スキルランク「ベルゼブブ」スキル階級・第四位 」
......逃げるためのスキルを作った、そのはずだったのだがーーー
ーーーなんかめっちゃ強そうすぎる〜〜ッッ!!
これで階級第四位...というと、この『能力創造』、どう言う... ...
と言うか、マナ?マナって、魔法とかを発動させる時に消費して使うみたいなもの、だよな?
俺、こんなにスキルガンガン使ってるけど、え、大丈夫なのか??
まさか、マナがなくなって、死んだりしないよな?!
「ーーーアメイジングスキル『智慧』を、獲得しました。」
「効果「森羅万象の知識・情報の理解」
発動条件「常時発動・特定の条件下--困惑」
スキルランク『ベルゼブブ』スキル階級・第四位 」
なぜだか、さっきの疑問が突然消えた。情報が流れ込んで来て、理解できてしまう... なんだか...変な感覚だ。
(マナは、この世界の空気中至る所にあり、やはりこの世界には魔法
が存在し、それを放つために消費する、おそらく、酸素みたいなものだろう。)
(なるほど... そういうことか...って、いや違う!!前!前!)
そんなことを考えていた俺は、気づいた時にはすでに遅く、気づけば、魔物の大群に飲まれていた。
クソ...気を抜いていた! まさかこれでもう...こんなところで...?
いやまだ...
まだ...死ねない!
... ..."死にたくない"ーーー