表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

episode1

俺の名前は詩利縫雅也(しりぬい まさや)。16歳。


突然だが今俺は、仲間と共にこの世界の魔王の討伐にやってきている。


俺はこのパーティの中でも最強、時を操る時空操者だ。


あそこの剣を持っているイケメンが、勇者ヘロユス。


そして、俺たちパーティのリーダー。

そしてあっちの2人は...


「上!!マー君避けて!!!」


上を見るとそこには禍々しく、触れたら即死というなんともまあ、小学生の考えそうな魔王のチートスキル「絶対絶命(アブソリュート)」。


普通のやつらならここで絶望し、死を悟ることだろう。そう、普通の奴らなら。


「...時よ遡れ!!スキル発動、『時間操作(クロノス)』」


すると、時は止まり、そして遡り、、、


!?!?


「な、なんだこれは...」


突然、空のそこらじゅうに亀裂が入り始め、それはみるみるうちに広がった。


「クソ!!どうしてうまくいかなかった!!!まずい...

これは死ぬっっ!」


地面やあたりの物体あらゆるものが亀裂に向かって吸い込まれていく。


そして気づけばすでに俺の足は地面から離れていた。遠ざかっていく仲間たち、、魔王、、、


「俺は...こんなところで...」


意識が遠ざかっていく......



......




「...、.さや、まさや...」



ふと、暗闇の中で、俺を呼ぶ誰かの声がした。


(それと...もう1つ...何か言ってーーー)





「雅也!!!!!!」


俺は飛び上がった。


「おい、まじでずっと寝てたな、もう授業終わってるし、帰るぞ」


ああ、俺はずっと居眠りをしていたらしい。

しかし、リアルな夢だった... いや、現実味はなかったけど。





俺を起こしたのは、幼馴染で幼稚園の頃からの仲で、

今は親友の翔也(しょうや)


翔也には妹がいる。ちょうど今年、小学校の中学年に上がったそうだ。

そして明日は妹の誕生日らしい。

そういえば、去年の誕生日には家族で外食をしに行ってたな。

きっと明日もそうだろう。



帰り道の途中、この辺で一番大きな川にかかる大きな橋の上を歩いていた時、


「このままラーメン食いに行かね?もうちょっと先行ったらさ、俺が前行った新しくておすすめの店あるんだけど」


ラーメン好きの俺たち、この辺のラーメン屋はほとんど食べに行ったことがあった。新しい店か...

翔也に誘われて、返事をしようとした瞬間... ...


「キャーーー!!!誰か!!助けて!!!!」


橋の下から大きな悲鳴が聞こえた。


急いで橋の上から見てみると、10歳も超えてないだろうか、小さな子供が溺れている。


悲鳴はその子の母のものだった。



俺たちは橋の下の河川敷に駆けつけ、周囲の大人たちの間を縫って川のすぐそばまで来た。


今日の川の流れはいつもよりも早く、子供の体力はもう限界が近づいていた。


「待ってろ!今俺が助ける!」


隣の翔也からそう声が聞こえた。無茶だ。急いで止めようとした。しかし、その時にはもう翔也は川の中にいた。


「ダメだ!戻ってこい翔也!!!」


子供の方に向かって泳いで行く翔也に、俺はそう言った。


が、止まる気配はない。すると翔也は


「俺の妹だ!!!俺が絶対助ける!!!」


俺ははっとした。


まさかあの子供が、実は翔也の妹だというのだ。


しかし、状況は悪くなる一方で、川の流れは翔也を押し流し、

今やもうまっすぐ泳ぐことすら困難になっていた。

流れに揉まれながらついに翔也は妹の手を掴んだ。


あとは戻ってくるだけ... よし、これならいけるかもしれない...!


その瞬間、


川の上方から、大きな木の幹が流れてきている。


「翔也!!!!」


そう叫んだ次の瞬間には、すでに川に飛び込んでいた。


全速力で翔也の元へ泳いでいく...


もう木の幹はすぐそこまで来ている。もう間に合わないかもしれない。


そしてその時、翔也の手首を掴んだ。

目一杯の力で、俺は翔也を陸の方へ投げ飛ばした。

「雅也!!!!」

最後に、振り返った翔也の顔が見えた。


...はは... ...助かった...かな...



ーーーそして俺は、死んだ。






























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ