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クールな美少年
「…………すごい」
それから、数十分経て。
思わず、感嘆の声を洩らす。と言うのも――
「――キャー、巧霧くーん!!」
「こっち向いてー!!」
二年の部、100メートル走終了後。
卒然、校庭の至るところから響く大きな歓声。……いや、卒然でもないけども。それこそ、レースが始まる前からずっと響いてたし。
ともあれ、そんな頗る人気の美少年――日坂くんは特に表情を変えることなく、自身のチームであるB組の歓声に応えるように軽く手を振るだけ。相変わらずクールだなぁ、日坂くん。むしろ――
「……いや、なんで朝陽先輩がそんなに嬉しそうなんですか」
そう、何処か呆れた表情の織部さん。……うん、むしろ僕の方が喜んじゃってるよね。ほら、日坂くんが人気だと嬉しくって。




