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はい、バッチリと!
――ところで、それはそれとして。
【……そろそろ、斎宮さんの出番ですよね】
そう、筆記にて伝える。……ところで、今更ながら体育祭でメモとペンを携えている人なんてきっと僕くらいだよね。まあ、流石に競技中は席に置いてきたけども。
ともあれ、僕の文章を見た後、再びこちらに視線を向けニコッと微笑む斎宮さん。そして――
「――うん、ちゃんと見ててよ新里! もうカゴから溢れちゃうくらい、玉という玉残らず全部放り込んじゃうから!」
【はい、バッチリ見させて頂きます! それこそ、斎宮さんの投げる玉の縫い目までバッチリと!】
「……いや、流石にそれは気持ち悪いけど」
玉じゃなくてあたしを見てよ――続けて、何とも呆れたようにそう口にする斎宮さん。……うん、ご尤も。そもそも、縫い目とか見えないだろうし……たぶん。




