放っておけない二人?
「「――お疲れさまです、蒼奈さん」」
「うん、お疲れ朝陽くん、夏乃ちゃん。二人とも、気を付けて帰ってね」
「「はい」」
ある日の、薄暮の頃。
黄昏の空の下、今日も息ぴったりな二人の背中を微笑ましく見送る。ふふっ、ほんと可愛いなあ。
ただ、それにしても……うん、なんで付き合ってないんだろうね、あの二人。どう考えてもお似合いだと思うし、どう考えても……いや、不思議でもないか。二人とも、そういう方面では相当に不器用だろうし。
ただ、それにしても……うーん、恋敵かぁ。まさか、夏乃ちゃんがあんなにも不安になるほどの強敵が現れるとは。
まあ、確かに朝陽くんはあれ以来――夏乃ちゃんがここで働くようになって以来、着実に魅力を増しているのが傍目にも分かるから、そういう恋敵が現れるのも必然なのかも――
……あっ、でも夏乃ちゃん、確かその子は朝陽くんの中学の後輩って言ってたはず……と言うことは、その子は中学時代から既に朝陽くんの魅力に気が付いていたということに……なるほど、それは確かに強敵かも。
……まあ、でも心配はしてないけどね。だって、どう考えてもあの二人は――
――カランカラン。
すると、そんな思考を遮る形で来訪を知らせる鈴の音が。もう閉店だけど、何ら支障はない。今日は、お客さんとして来てくれたわけじゃないから。
「――来てくれてありがと、祥くん。もうすぐ終わるから、好きなところに座ってて」




