表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
声にならない想いを乗せて  作者: 暦海


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/287

答え

「――うん、そうだね。そもそも、なんで新里にいざと蒼奈あおなさんの好みを知りたいのか――まずは、そこを詳し〜く聞かせてほしいな?」

「……へっ? あ、いえその……」



 翌日、放課後の空き教室にて。

 例の件について尋ねる僕に、満面に笑みを湛え尋ね返す斎宮さいみやさん。なのに……心做しか、の奥が全く笑っていない気がする。どころか、どこか冷え冷えとした雰囲気くうきさえ纏って……あれ、何だか前にも似たようなこと……うん、気のせいかな?



【……あの、斎宮さん。その、つかぬことをお伺いするのですが……その、蒼奈さんの男性の好みをご存知だったりします?】


 これが、今しがた彼女に示した文面なのだけど……どこか、まずいところでもあったかな?




「……なるほど、そういう事情ことか」

【……はい。それで、斎宮さんなら何かご存知かと思いまして】


 ともあれ、求めに応じ理由――お客さんから、蒼奈さんの男性の好みを聞いてほしいとのご依頼があった旨を説明すると、軽く首を縦に振り納得を示す斎宮さん。幸いなことに、先ほどまでの冷え切った雰囲気くうきは既になくなっていた。ただ、幸いではあるのだけど……どして?


「……でも、ごめんなんだけど、あたしも分からないかな。あたしも、蒼奈さんとはよく話すけど……そう言えば、蒼奈さんのそういう話は聞いたことなかったから」

【……なるほど。いえ、答えてくださりありがとうございます、斎宮さん】


 そう、申し訳なさそうに話す斎宮さん。でも、言わずもがな彼女が謝る必要は何もない。そもそも、僕が承諾したご依頼だし。

 ……さて、となるとどうしようか。やっぱり、難度は高いものの蒼奈さんに直接尋ねるしか――



「……ところでさ、その、別に深い意味とかないんだけど、その……新里の好みの女の子って、どんな感じなのかな……なんて」

「……へ?」


 今後の方針について思考を巡らせている最中さなか、ふと掛けられた斎宮さんからの問い。……うん、何とも思い掛けない質問だ。果たして、どう答えるのが適切か――


 ……まあ、何も考えずただ本音を告げるだけなら答えは決まっている。決まっているの……だけども――


【……そう、ですね。味気のない返答で申し訳ないのですが……そのようなことは、今まであまり考えたことがなくて……】

「……そっか。うん、それなら仕方ないね」


 そう伝えると、仄かな微小を浮かべ答える斎宮さん。その表情の意味するところは定かでない。ただ、いずれにせよ……まあ、言えるはずないよね。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ