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……うん、ちょっと寄っていこうかな。
「――じゃあな、夏乃」
「また学校でね」
「うん、またね」
夕さり頃、交差点の辺りで軽く手を振り別れを告げる小林くんと彩華。そんな二人に、あたしも軽く手を振り答える。
小昼の頃――彩華から遊びの誘いがあり、別段予定もなかったので快諾した。そして、小林くんと彩華以外にもクラスメイトが三人――あたしを含め、計六人で先ほどまでボーリングに興じていた。そして、この辺りまで帰り道が同じだった二人と今しがた別れ今に至る。
明日、筋肉痛になりそう――ぼんやりそんな思考を浮かべつつ家路を歩いていると、右手に見慣れた公園が視界に映る。……うん、ちょっと寄っていこうかな。急いで帰る理由もないし。