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聖なる夜に

「…………へっ?」


 そんな自己嫌悪の最中さなか、ポンと肩を叩かれるとほぼ同時に弾んだ声が届く。……到着って、いったいどこに――そんな思考を遮るように、少し駆け足で前方へと進んでいく斎宮さいみやさん。そして、


「ほら、新里にいざとも早く早く!」


 そう、弾けた声で告げる。ぱっとこちらを振り返る彼女のすぐ後ろには、煌びやかなイルミネーションに彩られた一本の樹――本日、12月24日を象徴する大きなクリスマスツリーが静かに佇んでいて。


「「……あ」」


 ふと、僕らの声が重なる。二人して少し可笑しそうに笑い見上げた空からは、まるで聖夜を祝福するように不香ふきょうの花がはらりはらりと舞い降りる。そんな感慨深い光景を暫し眺めつつ、ゆっくりと視線を戻し――



「――っ!?」



 ――刹那、呼吸が止まる。視線の先――煌びやかな景色の中、純白に溶け込み可憐な笑顔を浮かべる彼女の姿は、まるで今にも消え入りそうなほど幻想的で……この世のものとは思えないほどに、綺麗だった。



『……いつか、ちゃんと聞かせてね? ――新里の、本当の願いを』



 ――ふと、彼女の言葉が蘇る。……本当の、願い。僕は、いったい何を――


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