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びっくりです……。
「ううん、全然気にしなくて良いよ。ちゃんと事前連絡はもらってたし、それに大変って言うほど遅れてないし」
卒然、慌てた様子で扉を開き謝意を伝える女の子に、いつもの快活な笑顔で答える蒼奈さん。二人の会話から察するに、アルバイト希望の子とは彼女のことで間違いないだろう。
……ただ、それはそれとして――ただただ、僕は呆気に取られていた。何故なら――
「――斎宮夏乃ちゃん、だよね? それじゃ、今から面接するからこっちに――とは言っても、もうほとんど採用で決まりだから気楽にしてね」
「あっ、はい、ありがとうございます!」
そう、声を弾ませ答える彼女は――僕のクラスメイトであり、学年でも評判のあの美少女だったから。