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ご不満?
「……あの、斎宮さん……?」
「…………」
その日の、放課後のこと。
空き教室にて、古びた机に頬杖を突きムスッとした様子の斎宮さん。……えっと、なにかしたかな? 僕。
……うーん、原因があるとすれば……やはり、あの昼休みだろうか。どうしてか、西条さんと僕の方をじっと見ていたし。
……ただ、それでも理由はやはり皆目不明で。称賛を伝えにいかなかったから……うん、違うな。僕なんかが言わずとも、既に数多の生徒から受け取っていたわけだし……そもそも、彼女はそういう人じゃない。
それなら、僕なんかが1位を取ったことに不満を……うん、違うな。繰り返しになるけど、彼女はそういう人でもない。……でも、だとしたらいったい――
「……ほんと、随分とモテるんだね。新里は」
「…………へ?」