1日目
「なぜ書き始めたのか。」
扇風機の風音だけが響く静寂の中、不思議に思う。何の力も持たない自身に不安を持ち、こうすることで気を紛らわせようと考えたのだろうか。しかし、この様に思案を巡らせている間にも時間は進む。
チクタク
この日記は、筆者による独善的なものであり、ただ感じたこと起こったことをありのままに記していくものである。
時刻は午前2時を過ぎる前だ。やはり扇風機の風音しか聞こえない。私は、そう思いつつ漠然とした不安を常に抱えている。深夜だからであろうか、いや大学2年前期も過ぎ「就活」という文字が前に現れた時、私自身あまりにも無力であると知ったからである。今までそう思ったことがないわけではない。しかしながら、いざ自分自身で何か動画編集やクラウドソーシングをしようと思い立った時、何一つできないというのは心に来るものがある。勉強が特段出来るわけでもない私にとってはなお苦痛である。それなのに手は進まない。心のどこかでどうにかなるとまだ信じているのであろう。私はそういった人間だ。
時は進み午前2時半。夜勤のバイトに行くために支度をしなければならない。この時間のバイトは好きだ。バイトに行く前の夜風にあたりながらの一服は何物にも代えがたい。それに私の前を働くおばさまの母性溢れる優しさ、決まってくる常連客の雰囲気全てが心地よい。しかしながら、このバイトもあと2週間でやめることになっている。この時間帯での勤務は大学に通う私には少しつらいものがあったからだ。そのため引継ぎをし、やめることになっている。この勤務があと数回しかないということを考えるとかなり寂しい。
私はこの勤務を終えたのち、散髪に行き再び夜勤での勤務が待ち受けている。伸び伸びと育ったサイドの髪の毛を少しばかり教育し、その後に急遽決まった夜勤に入る。明日は、少しハードだが、きつい労働の後の一服は格物である。モクモクと煙と戯れることを考えながら出発するとしよう。