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第2話「最底辺の俺は全く圏外の部外者だろうが、 一応同期たる新人冒険者達の行く末を見守ろう」

『二度の追放』を喰らったが

落ち込み、めげてばかりもいられない。


闘技場の観客は俺みたいな冒険者は勿論、一般の王都市民も数多押しかけていた。


普段なら、この冒険者ギルドへ、

直接関係のない一般の市民が押し寄せる事などない。


ここまで大勢の人々が来たのは大きな理由があった。


そう、今日は5月1日。

スペシャルイベントともいえる、

冒険者ギルド主催『冒険者クラン新人選択希望会議』

……通称『ドラフト会議』が行われるのだ。


このドラフト会議について簡単に説明しておこう。


指名されるのは冒険者ギルドに登録してから、1年以内の『新人』と規定された、

『無所属の冒険者』だ。

ランク、職種、実績は一切不問とする。


指名希望の無所属新人冒険者は、規定の期日までに志望届を冒険者ギルドへ提出し、

『ドラフト会議』にエントリーする。


エントリーした彼ら彼女たちを新人冒険者を指名候補者とし、

各有名クランが依頼完遂数等、成績順により1名ずつ指名していき、

入隊確約を前提に優先交渉権を得るのである。


また指名するのは先着順。

先に指名された新人冒険者を、次に指名する別のクランは指名出来ない。

つまり競合はないという事だ。


1回のドラフト会議において、指名人数は各クラン計3名まで。

第1位のみ指名し、後は棄権するのもあり。

つまりドラフト1位から3位までの最大3名がクランから指名されるのだ。


結果、めでたく指名された新人冒険者は、結構な契約金と高水準の年棒が提示され、

合意した後、入隊へと至る。


有望な新人冒険者は、ギルド登録の際の能力試験で各クランからチェックされる。

また、冒険者登録後から『研修』という形で、各クランに仮所属。

しばらく『見習い』という形で自由に活動出来るから、ある程度は新人冒険者の才能、実力等も、クラン側が見極める事も可能だ。


仮所属の新人冒険者は、仮所属のクランとそのまま本契約しても良いし、

一旦リリースして貰い、ドラフト会議に臨み、

他の上位クランの指名を狙っても構わない。


まあ、最底辺の俺の場合は、追放に近いリリースだけど。


そもそもドラフト会議は、有望な新人冒険者を、

クラン間のトラブルやいさかいなしで入隊させる為に、

冒険者ギルドが公式のイベントとして実施するものだ。


このドラフト会議で指名され新人冒険者は、かなりのエリート冒険者だといえよう。


大観衆の前で、有名クランに晴れて指名されれば、

有望な新人として名前はギルドや冒険者間だけでなく、世間一般に周知されるし、

何より、身分待遇も保証されるからだ。


ドラフト会議は、いわば、人生の一大イベント。

新人冒険者本人じゃなくとも、他人の人生の行く末を高みから見物出来る。


王都市民がこんな面白いイベントを見逃すはずがない。


毎年、大盛況なのは当然であった。


人気クランの現状と補強ポイントはどこだろうか?

指名された新人冒険者はすぐ主力となる即戦力か?

それともじっくり育てる晩成タイプのロマン枠か?


冒険者は勿論、王都市民も興味津々。

指名予想の臨時新聞まで出る始末で、賭けの対象にもなっていた。


冒険者ギルドもちゃっかりしていて、毎年『冠クライアント』を募って、

ドラフト会議を定例化している。


今年の冠クライアントは、王都の王手商会『リュミエール商会』が協賛しているとの事。


ちなみにドラフト会議のエントリーは、ギルドに登録している冒険者なら、無料で申し込める。


なので、ミランダから散々罵倒された俺も、無料だし、単に参加だけしようと思い、ギルドへ志望届けを出し、エントリーだけはしていた。


まあドラフト会議にエントリーはしたものの、ランクFで最底辺の俺なんか指名される事はないだろう。


でも、「しょせんは買わなきゃ当たらないぞ」

みたいに、ダメもとで高配当の宝くじを買うようなものだ。


絶対に俺の名前は呼ばれないだろうが、この場で有望な新人冒険者達の指名を見守り、俺だって!みたいに、モチベーションをちょいあげするくらいは許されると思う。


ここで冒険者ギルド職員が大きく片手を挙げた。


おお!

そろそろ、始まりそうだ。

最底辺の俺は全く圏外の部外者だろうが、

一応同期たる新人冒険者達の行く末を見守ろう。


司会進行役たる冒険者ギルド職員が魔導マイクで声を張り上げる。


「さあ! 冒険者ギルド主催! プレゼンテッドバイ、リュミエール商会! 『冒険者クラン新人選択希望会議』を開始いたします!」


観客席に座り、ギルド職員の大きな声を聴きながら、俺は「ふう~」と、

軽く息を吐いたのである。

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