リモートタウンワーク
「結局何からすれば良いか分かんないよ!」
組合会館にてヤエが元気よく答える。
昨日、はれてヤエが組合の仮所属となった。
所属なしのF等級冒険者
「そういえばヤエさんにはまだ組合のシステムについて説明していませんでしたね。
まずヤエさんは現在F等級です。これは仮所属の組合員につけられる。
一番下の等級になります」
「フィーラちゃんはD等級だっけ?
主に違いとかあるの?」
「ありますよ。基本的には受けられる依頼内容が変わってきます。
適正にあった依頼を受諾出来るように指標として等級をつけてます。
組合員は依頼の難しさが判断が出来ますし、実力が可視化されるので
依頼の失敗率も大幅に減る工夫ですね」
「なあフィーラ。ヤエに割り振りられた冒険者っていうのは?」
「これは役職みたいなものですね。主に術士と冒険者の2つがあります。
導素量が規定に満たない人は自動的に冒険者に割り振りられます」
「わりとざっくりなんだね…。というか私は術式の才能がない感じ?!」
ヤエが嘆く。まあ、魔法使いに憧れてたんもなぁ…
クノンが落胆しているヤエに声をかける。
「ん…。ヤエ。導素総量は鍛えれば徐々に上がる」
「え?本当なの?」
「うん…。10年くらい鍛えれば最低既定値に満たされる」
「夢と希望が潰えるくらいの年月!」
夢も希望も無いんだよ…。
「あ!でもヤエさん。クーちゃんと同じ冒険者ですよ!」
「確かに!クノンちゃん一緒!テンション上がってきた!」
クノンが天井のシミを見るような目をしている。
ヤエの反応にも虚静である
「話を戻しましょうか。
次に等級の上げ方ですが、
術士は使える術式の技術によって等級が上がりますが
冒険者は出来る仕事量の範囲で等級が上がります」
「FからEに上がるためには?」
「まずは依頼を沢山こなすこと。
沢山お仕事して信頼を得ましょう」
フィーラは掲示板を指差す。
多種多様、千差万別な内容の仕事が沢山貼り付けられている。
「BからEまで色んななクエストが出てるね。
F、F…F等級のクエストが無いよ!」
「掲示板は住民からのクエストがほとんどですので。
仮所属の人にあまり仕事を頼みたくないのでしょう」
「欠落制度!元の世界と同じで書類上でしか人を見ないんだ!面接させて!」
うえ~んと嘘泣きポーズを取るヤエ。これは面倒くさい。
「まあまあ落ち着いてヤエさん。私みたいな正規組合員と同行ならクエストが受けられますよ。
お師様もそれを見越して私にヤエさんに手助けするようにしたのだと思います」
「ツクヨさぁん…流石ぁ…」
「パーティを組むうえでも連携も大事になっていきますし、
クエストを通じて一緒に頑張っていきましょうね」
それから4人で丁度いいクエストを探す
RPGなら薬草探しとか定番なのがあるのだろうか。
異世界ならではのクエストとかあるのかな?ワクワクする。
考えているとヤエが何か見つけた。
「あ!これならどうかな?」
「確かにE等級でも出来る仕事ですね」
「ん…。確かに丁度良いかも」
期待に胸を膨らませ、異世界初のクエストの始まりだ!
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「ラッシャイマセー」
「7番テーブル。エール酒2つ、果樹種1つ追加で!」
「会計こちらどうぞ!」
「アザッマシター」
忙しない従業員達の掛け声。
熱が揺らぐ厨房。
簡略化しすぎて接客の言葉が謎の造語と化している独特な雰囲気。
ヤエが選んだのは居酒屋の臨時日雇いバイトの依頼だった。
うん…。どうしてこれ選んだのヤエ?
「3番テーブル唐揚げ盛り合わせ追加で!」
現実世界のバイト経験を活かし客を捌くヤエ。
「了解しました!
4番テーブル、サラダと卵焼き出来ました。持ってて下さい」
厨房で料理を効率よく調理するフィーラ。
「お釣り300リラになります。アザッマシター!」
クノン。お前腹から声出せるんだな…。
既に謎の造語接客に毒されているし…。
3人ともそれぞれの役割分担を果たし上手く連携している。
うん違う!俺が見たかったのはこういった連携じゃない。
安定だけど!馴染みの光景すぎる!
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「オツカレッシター!」
ヤエ達は店長に挨拶をし、店をあとにする。接客造語に侵食されている…。
3人は見事な連携でランチタイムから20時までの
進軍の如く押し寄せて来るお客様の進軍を見事捌き切った。
「いや~異世界の始めてのクエストは大変だったね~」
「久々に術式関連以外のお仕事でしたので新鮮でした。
ヤエさんの接客は中々でしたね」
「ふっふっふ!現代知識で無双するとはこのことよ」
確かに無双してたけど!それで良いのかヤエ?
「それでは依頼達成報告を組合にして完了になります。
この調子で依頼を達成して正規組合員を目指しましょう」
「おー!」「おー!」
3人の結束が固まったのは良いが、なんか思っていたのとチガウナー。
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「なんか異世界っぽくない!」
ヤエが掲示板を前に突如叫ぶ。流石に気づいたか。
初依頼から6日間が経過した。
これまでの仕事といえば、飲食店の従業員の臨時アルバイト。
ペットの散歩。事務処理の手伝い等々、並べればどれも
異世界感皆無な仕事ばかりだ。タウ○ワークの求人と大差ない。
異世界ファンタジー小説で想像する、
モンスターの討伐やダンジョン踏破などのワクワク感は皆無だ。
「う~ん。ヤエさんが想像する、異世界っぽいがよくわからないのですが…」
「なんというかファンタジーっぽいの」
「ファンタジーの定義ですか…。困りました。
ヤエさんの等級で出来る仕事といったら後は薬草採取や
刻印石の材料探しくらいしか…」
「そういうの!」
「ですがこれらの任務は外に出るので装備を整えないといけないですね」
「おお!それっぽくなってきた」
フィーラの案内のもと道具屋に向かうことにした。
ちなみにクノンは初日の依頼を達成した後、
警備隊の仕事の引き継ぎが残っているとのことなので、
ジギ達に報告をかねて一時的に警備隊に戻っていった。
「そういえばフィーラ。組合員は基本的にパーティを組んだりするのが普通なのか?」
「色んな人がいますね。ソロで行動する人。パーティを組んだりする人。
色んなパーティを転々としながら高難易度依頼を請負う傭兵みたいな事をする人もいますよ」
パーティを組み方は組合員の自由にさせているのか。
クノンが警備隊を脱退すること自体は問題ないのだろう。
話しているうちに街の道具屋についた。
見た目正にRPGに出てくるような雰囲気のお店だ。
「おお!それっぽい感じの佇まい」
「外へ出る際の基本装備を整えましょう。
クエスト達成時のお金や巨人討伐時にお礼で頂いたお金もありますし
一式そろえられるはずです」
装備を整えるとい言葉に期待し、店内に入る。
「いらっしゃいませ~。何かお求めですか~ってあれ?」
女性の声が聞こえてくる。そこには見知った顔がいた。
巨人討伐時に助けた商人のクリシェさんだ。
「ヤエちゃんにフィーラちゃんじゃない」
「クリシェさん!お久しぶりです。ここはクリシェさんの
お店だったのですね」
フィーラは冒険者用の道具が揃ってるこの店は使用したことが無かったのだろう。
冒険者であるクノンは知っていたのだろうか。
「その後、お体の具合はどうでしょうか?」
「私はバッチリ回復したよ。父さんはまだ足の怪我の療養中。
お店に来たってことは郊外への装備を整えるため?」
「そうです。ヤエさんにこの資金で装備を見繕っていただきたいのですが」
クリシェさんに現状を簡単に説明した。
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「それじゃあおすすめの装備はこんな感じかな」
冒険者の装備を一式クリシェさんに見繕ってもらった。
「おお~!いかにも冒険者っぽい感じに」
「ヤエさん。似合ってますよ」
ヤエの体格に合わせたものか軽装である程度動きやすそうな装備だ。
顔の堀が深かったらスカイ○ムに馴染めそうだ。
「あとは護身用の武器ね」
「おお!メインウェポン!燃える!」
「ヤエちゃんは得意な武器はあったりする?」
「生まれてこの方武器は持ったことありません。
いつも心に武器は持っていますけどね!」
「とりあえずヤエちゃんにおすすめそうなのは…」
クリシェさんのスルースキル!
「とりあえずレイピアかショートソードの2つかな。
女の子でも取り扱いしやすいし、軽くておすすめだよ」
「おお!武器!持っていい?降っていい?」
「どうぞどうぞ。自分に合ったものを選んで」
ヤエは目を輝かせてショートソードをブンブン振る。
アブねぇ!素人の素振りだとひと目見て分かる。
芯はブレブレ。おもちゃの剣を適当に振り回すような感覚で
適当に振り回している。
「おお~凄い凄い」
「あの…ヤエさん切れ味は本物なので取り扱いは注意した方が…」
フィーラが注意した瞬間ヤエの手から剣がスポンと抜ける。
「あ!」「あ…」「あ~」
その場にいた全員が餌を求める魚の如く口を開けて呆けた声を出す。
ヤエの振り上げた剣が天井に飛び
ゴスッという鈍い音と共に突き刺さった。
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「ごめんなさい…」
日本式の最大謝罪ポーズ土下座で謝るヤエ。
フィーラもごめんなさいごめんなさいと何度も頭を下げていた
「大丈夫。大丈夫。気にしないで。怪我人もいなかったことだし。
しかし凄い力だねヤエちゃん。このまま店の名物にしようかな?」
「それだけは勘弁を…。いえ…調子こいた私の不始末なので言葉はございません」
「すみません。天井の修理代はお出ししますので」
「だから気にする必要無いって。…そうだ!だったら私から一つお願いしても良いかな?」
「お願い?」
クリシェさんはある提案をする。
「私の知り合いが剣術の道場を経営してるの。
でもお客さんがいなくて経営難みたいだから、
ヤエちゃん弟子入りしてくれないかな?」
「剣術?」
「そう。ヤエちゃんは剣術も覚えられて私の知人も助かるから一石二鳥」
「でも…そんなことで良いのかな?」
クリシェさんが嫌らしく笑顔をみせて
天井に突き刺さった剣を指差す
「この天井に刺さった剣が素人のやらかしになるか
高ランクの等級持ちが突き刺した剣になるかはヤエちゃん次第だよ」
「喜んでお受けいたします!」
顔を真赤にしながら答えるヤエだった。
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「ここか…」
クリシェさんの教えてもらった道場の場所は日当たり悪く
薄暗い裏道を進んだ先にあった。
見た目は本当に開いているのかと疑問に思う道場だった。
「一応合っています…よね?看板にサイス剣術道場と記載されてますし」
「本当に入って大丈夫なのかな?」
「一応、中の様子見てくるよ」
地図を確認し、道場の中にアイコンが一つあった。
"サイス"という名前がある。運営主で間違いないだろう。
早速映像を映し出しサイスなる人物に挨拶をする。
「こんにちは~」
映像を出した途端、道場の正面に居た男が一瞬にして消え、
気づいた瞬間には木刀の切先を俺の目の前に向けていた。
うお!早い。気づかなかったぞ。
というかデジャブだ。クノンも初対面の時ナイフ突きつけてきたよな。
この世界の住人は判断が早すぎる。
「貴様何者?」
「えっと…知り合いがこの道場で剣術を受けたいらしくて。
その友人になります…」
「何故わざわざこの道場に?」
「クリシェさんのご紹介で…」
「クリシェから?そうか…」
クリシェさんの名前を聞き男から殺気が消えていく。
映像越しでも殺気が恐ろしい。喉がカラカラになる。
「して俺に剣術を教わりたい者は?」
「道場外にいます。人の気配が無かったので一旦俺が中の様子を…」
「人の気配を消していたのが仇となったか」
「誰かに追われてるんですか?入りづらい雰囲気でしたよ」
「そうか。だが以前気配を出していたら殺気がうるさいと怒られたのでな…」
「独特なクレーム!?というか殺気に対してよくクレーム入れましたねその人」
「母だ」
「母強し!」
「そもそも凄腕なのになんでこんな立地悪い所に道場を?」
「人と話すのが苦手でな…」
「剣術以外も努力しろ!メンタル虚弱ですか!」
「褒められているのか?」
「弱みを誉れと思っているですか!非難してるんですよ」
「俺は逃げないぞ?」
「それは避難!変なところで剣士としての誉れを出さないでください」
「強さとは何なんだろうな?」
「突然の哲学!まず己の弱さを知ってください!」
「強さには自信がある」
「腕ではなくメンタルを鍛えて!」
「君厳しいな…」
「ここで押し負けるな!強さには自信があるんでしょ!?」
「海くんうるさいよ~大丈夫?」
俺のツッコミが外まで響いていたのか
ヤエ達が心配して道場へ入ってくる。
「ああ悪い。どうやらこの人がサイスさんらしい」
「え?どこにいるの?」
ん?横を見る。さっきまでいたサイスさんが消えていた。
早!いつの間に。
しかし逃さない。地図を確認し、アイコンを確認する。
道場の隅に影と重なるような場所にサイスさんがいた。
何その高度な技術?
アイコンをクリックして語りかける。
「サイスさーん。見えてますよ」
「な?貴様何故気づいた?」
「ほら受講生ですよ」
「なあ…初対面の人とは話すのが…」
「道場潰れますよ?」
「脅迫などには屈しない!」
「事実だよ!しっかりしろ!」
ヤベェぞこの人。一体どういった経緯でクリシェさんと知り合ったんだよ。
ミステリーすぎる。
「初めまして!クリシェさんの紹介で来たヤエです!
よろしくお願いいたします」
道場の隅で固まるサイスさんの元に近づき、
元気よく挨拶し、笑顔を振りまくヤエ。
さあ、どう出る?サイスさん。
「あ…サイスデス…ドウムォ…」
「光と影かな?!先生しっかりして!」
「明るいがすぎる…辛い…」
「俺に向けたさっきの殺気はどこ行ったんですか?!」
「さっきの殺気…フフ」
「初めての微笑ぉ!」
ヤエが凄く困った表情をしている。
こいつぁレアだ!アッパー系コミュ力をも凌駕する
キャラクターっぷりだサイスさん。
この状況をなんとかしようとフィーラが前に出てきた
「サイスさん。大丈夫ですよ。
初対面が苦手なんですよね?
私も緊張していますし、お互い徐々に慣れていきましょう。ね?」
フィーラが優しく微笑みかける。
おお?これは良いのでは?
さあ、どう出る?サイスさん。
「あ…あ…」
徐々に近づくサイスさん。
プルプルしてる。怖い。
15歳につめよる成人男性という最高峰にヤバい絵面だ。
だが良いぞ!あともう少しだ
フィーラは微笑みを続ける。
人見知りは人の顔色を伺うのが得意だ。
裏表の無い、純粋にサイスさんを心配して出た言葉と表情。
嘘がない。行ける!
しかしそう思った瞬間サイスさんは膝から崩れ落ちる。
「どうしたんですか?サイスさん」
「ムリ…ムリ…ヤエくんと君の視線が気になって死にそう」
しまった~俺たちの視線があったか~!
人見知り特有の視線気にしすぎスキルが発動してしまったか。
そのままサイスさんはうずくまり、
フィーラとヤエに背中をさすってもらうという
最高に情けない絵面になった。
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数分後、徐々にヤエとフィーラに慣れたのか
サイスさんは立ち上がった。
「すまない…あたためて自己紹介を…」
「……」
噛んだ。ツッコむな…やっと立ち直りかけたんだ。
今ここで笑うと彼は布団にうずくまって眠れぬ夜を過ごすことになる。
ああ駄目だ!ヤエの目が完全に笑ってやがる!
人見知りは表情を見るぞ。
フィーラは依然として微笑んでいる。
頑張る子どもを見守る母のような笑顔だ。
サイスさん頑張れ
「自己紹介を…この道場を経営しているサイスだ。よろしく…」
耐えきった!よし!
そのままサイスさんはヤエの剣術について確認を始めた。
「それで…ヤエくん。剣の実力は?」
「ズブの素人です!」
「とりあえず…見てみないと分からんな。これを…」
サイスさんは木刀をヤエに渡す。
「適当に俺に当ててみろ…」
「よし来た!」
ヤエは返事と同時に、一瞬にしてサイスさんの間合いに近づき
そのまま木刀を横に振りかぶる。
サイスさんは瞬時に木刀で受け止めるがヤエの怪力により
そのまま道場の壁までふっとばされた。
「サイスさーーーーん!」
壁にめり込んでる!大惨事だ!
「大丈夫ですか?サイスさん」
「すごい…力だった…」
ピクピクと震えているが体に傷一つない。
この人、メンタルはヤバいが強さは本物かもしれない。
というかヤエは手加減しろ!
一方、ヤエは本日2度目の土下座をし、
フィーラもごめんなさいごめんなさいと何度も頭を下げていた。
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「とりあえず…頑張る…負けるな…俺…」
「そうです!その意気です!」
ヤエに派手にふっとばされ心も体も折れかけた
サイスさんを励ましなんとか立ち上がらせた。
「ヤエくん。きみの身体能力は凄まじいものだ。
だがそれ故に剣の扱いが大雑把だ」
「はい」
「その能力が活かせるような剣術と体術をこれから指導していこうと思う」
「分かりました!」
サイスさんは剣術の事になるとまともに会話出来るらしい。
多分、「好きなことになると饒舌になりますね」なんて言った瞬間に
手厚いメンタル介護が再び必要になるだろう。
ヤエ自信も基本は素直だし、問題はないだろう。
こうしてサイスさんのもとで剣術の指導が始まった。
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それから1週間が経過した。
ヤエの剣術は基礎レベルまでに上達し、粗暴な剣の扱いは消えていた。
サイスさんからも最低限問題なしと認められ、指導は終わった。
もちろん、この1週間は激動だった。
メンタル弱者のサイスさんのフォローをし、ケアし、励ました。
辛い戦いだった…。
「やっほ…。久しぶり…」
「クノンちゃん!」
丁度クノンも警備隊の任務を終えて
フリーの冒険者となったとのことだ。
「ヤエもフィーも久しぶり。ヤエは剣術について聞いたよ?
上達した?」
「ふっふっふっ!見るが良い!」
その瞬間、ヤエが目の前から一瞬にして消え、
クノンの背後に回りそのまま抱きつく。
「はや…!離してっ!」
「離さないよ~。クンカクンカ~。ああ~久々のクノンちゃんの匂い~」
「うう…いらない技術を習得してきた…」
やたら熱心に指導を受けてたと思ったらこれが目的の一つか…。
頭が痛い。
「よし!補充完了
それじゃあ外に出かけるクエストを受領しよ!
冒険!冒険!」
「そうですね。ヤエさんも大分強くなりましたし」
「ん…楽しみ」
受諾したクエストはE等級"アルグス洞窟 刻印石の素材集め"
大分回り道になったが、今度こそ期待は裏切らないだろう。
3人はクエストの目的地、アルグス洞窟へと向かうのだった。
読んでいただきありがとうございます。