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悪魔祓いの旅路録  作者: 日朝 柳
魔法理論講座

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75/110

修繕

「なっ!」

いきなり目の前で杖を折られて唖然とする。リルやヒナもそんなことはしないと思っていたのでその場に立ち尽くしていた。しかし彼女の表情は変わらない。

「よく見てよ」

言われてヨルフが指す杖の側面を見る。中が黒色に変色していて腐り始めていた。

「腐ってるでしょ。多分このまま使ってたら一ヶ月も持たないうちにポッキリ折れてた。私に見る目があって良かったね」

ヨルフは杖に付いた魔石を外して木の残骸をゴミ箱に投げ入れた。

「でもそれは大切な人から貰った........」

彼女が手を伸ばす前に杖の残りはゴミ箱の中へとはいる。アイラの手は掴みどころを失って空を掴んだ。これにはヨルフもあまりに無神経なことをしてしまったと頭を抱えた。

「いいよ、貸して」

ヨルフから二つに折れた杖を貰う。それを机に置いて自分の持っている杖を使う。

「時間魔法、逆行」

杖は元の繋がった姿へと戻る。それをもう一度ヨルフさんに返す。

「ヨルフさん、アイラの杖はこのままでいいです。だから、もう一本杖を新丁してくれませんか」

「あ、うん。アイラ、さっきは済まなかった。お礼になるかは分からないけど、引き出しにある好きな杖を選ぶといいよ」

ヨルフの後ろにはとにかく沢山の引き出しがある。試しに一つを引いてみると、丁寧に削りあげられた杖が入っていた。使われてる木材や年代によって分けられている。

「私は?」

「君はまだ使うのが杖と決まってるわけじゃないから、ここから選ぶ必要は無いけどどうする?」

「他に何があるの?」

すると机の引き出しから鞘に入った短剣が出てくる。それを抜くと鋼の部分に魔石が加工された魔石が埋め込まれている。

「これは魔剣。自身の魔力と反応して剣に魔法を帯びさせたり形状変化を促したりできる。魔力が少なくても使いこなせる分、身体能力に強さが依存する武器だね」

実際にヒナは剣を持ってまじまじと眺める。それから剣を置いて壁に掛けてある弓を指さして言った。

「あれは?」

「これは魔弓。使いこなすとかなり強い武器ではあるけど、初心者には使いこなすのが難しいから普通は杖か剣を選ぶね」

「そっかー」

ヒナは腕を組んで唸る。どの武器にしようか決めかねているようだ。後ろでアイラは色々な杖を見てなんだか感心している。考えた末に剣を手に取った。

「これにする!」

「僕もいいと思う。ヒナがいつも使う武器も短剣だから、それに合わせて作ってもらえばいいと思うし。出来ますよね?ヨルフさん」

「もちろん」

タイミングよくアイラも杖を選んだようだった。彼女の手には白樺で出来た白い杖を手に持っている。木目模様が美しく、アイラの持っている使い古した色味の深い杖とは正反対のものだ。

「アイラの持ってるのとは全然違うけど、いいのか?」

「はい、大丈夫です。なんだかあの杖は私に使って欲しそうな気がしたので」

これで二人は自分の武器を選び終えた。完成は二週間後らしいので、今日はこれでお暇する。ヨルフさんにお礼を言って部屋を後にした。

廊下の時計は既に四時を指していた。さっきいた生徒達も既に学校にはおらず、静かな空間を歩いていく。

「で、教室に戻ったはいいけど。今日はもう終わりにしようか」

板書の字を消して三人も学校から出て行く。ライブラに家を持たない二人は、自然と僕の家に来ることになる。

リルの家もライブラの中では高貴な部類に入る。大きな一軒家を持っているのがその証。平屋が主流のこの町で二階建てはそれだけで有力家系だと分かる。

「それじゃああんまりもてなしたりとかは出来ないけど」

扉を開く。二人も「お邪魔しまーす」と元気よく挨拶をして家に入った。

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