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悪魔祓いの旅路録  作者: 日朝 柳
悪魔の王様

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6/110

町に入ると人々は何かに脅えていたり、誰もいないなんてことはなく、いたって普通の光景が広がっていた。

「別に普通の町だな」

「でもそれが逆に気味が悪いです」

そう、それがこの町の異質さを表している。普通すぎるのが逆に怪しく感じてしまう。歩いていても表情のない挨拶が来るのがその証拠だ。

「あの、すみません」

声をかけるもその声が届いていないのか返事はない。あくまであちら側から挨拶はするという体裁らしい。

「あの、聞こえてますか?」

そう言って彼女の肩に手をやるとゆっくりと彼女は振り返る。彼女の目は虚ろになっていた。

うわっ!驚き一歩後ずさる。

周りを見ると歩いている人の目はみんな生気が灯っていなかった。瞳孔の開いたその目には僕たちのことは映っていない。これで噂は確信的なものへと変わる。

やっぱりこの町には悪魔の王様がいるんだな。

「アイラ、一旦この町を出よう。ここにずっと居ては危ない気がする」

彼らの目を見ていると自分まで何かに取り込まれてしまうような気持ちになってしまう。安全を考えるなら引くのが安全牌だ。

「そうもいかないみたいですよ」

アイラの言葉通り、人の動きがおかしい。

ガガガガガガガッ。

町の入口の門が閉まっていく音。家の中にいた人々が外へと出てくる。その人々の手には様々な武器が手に持たれている。虚ろな表情と相まってすぐに襲いかかってきそうだ。

「ほんとだね。これは、逃げられそうにないかな」

どうやら二人は既に王の城下まで足を踏み入れていた。王の笑い声が聞こえてくるような気がする。

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