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怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
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獺の噺


 日本では狐、狸、(てん)、猫など化けると言われている動物が数多くいる。これらの伝承は全国各地に存在するが、この『(かわうそ)』の話は特に石川県に伝わっている。


 獺はその名の通り、河辺に住処を構え小動物を狩って生きている鼬に似た動物だが、狐狸の類に負けず劣らずの変化を見せると言われている。年頃の美女や子供の姿をとって人を化かしたり、酒を買いに町に訪れるという話が良く聞かれる。


 獺が人に化けているかどうかを見定める術も、この地方には伝わっている。怪しい者に向かって「誰だ」と尋ねるとよい。人間であるならば「オラヤ」と答えるが、獺は「アラヤ」と答えるので正体が知れるという。


 ◇


 Q 獺は持っている物を絶対に他人には貸してくれない。それは何故?


 A 河川に住んでいるから。


読んでいただきありがとうございます。


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