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衝立狸の噺
『衝立狸』はその昔、徳島によく出たという。
高須という寂しい場所があり、夜更けにそこを通ろうとすると、道の真ん中に衝立の様なものが現れて行く手を塞ぐそうだ。
豪胆な者は丹田に力を込め、強引に押し進めば難なく通れる。しかしながら、大抵のものは夜中にそんなものに出くわすと委縮して逃げ去ってしまう。
ある時、近くの村々の者たちが相談し合い、経文と石碑を用いてこの衝立狸を封じ込めてしまった。
それ以来、二度とこの道に衝立狸は姿を出さなくなったという。
◇
Q この衝立狸、実はかなりの鍋奉行である。それは何故?
A 仕切りたがるから。
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