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怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
233/365

燭陰の噺


 中国のお話。


 平安の頃に伝わってきた『山海経(さんがいきょう)』という古い書物に『燭陰(しょくいん)』という妖怪の名が出てくる。それによれば、龍の胴体に人間の顔を持っており、その身体の長さは千里にも及ぶ。そして遥か北海の地である鍾山に住まう、と記されている。


 とてつもない神通力を秘めており、燭陰が目を開けば昼になり、閉じると夜になる。それが息を履けば冬が訪れ、吸えば夏になると言われており、最早一つの神性を秘めているといっても過言ではない。


 一説によると北極圏の極光(オーロラ)が具現化した妖怪とも言われているが、定かではない。


 ◇


 ある時のこと。燭陰に子供が生まれた。


 それからというもの、夜ばかりが長くなってちっとも昼間が訪れない日が幾日も続いた。


 我が子が可愛くて何か悪戯を仕出かしても、燭陰は目をつぶっていたからだそうな。


読んでいただきありがとうございます。


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