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比々の噺
東京を江戸と申した時分のお話。
とある山中で『比々』という大きな猿のような妖怪が出るようになった。
とてつもない怪力を誇り、猪を片手で捕らえ熊であっても喰い殺すほどの獰猛さを持っているという。その上時として、里に下りてきては人間の女を攫っていくこともあり、近くに住まう人間たちは恐々としてた。
けれどもどんなものにも弱みというものがあり、比々にそれがあった。
比々は大変な笑い上戸であり、一度笑うと唇が目を覆い隠すほどに捲れてしまうのだ。だから比々に遭ってしまったときは、どうにかして笑わせれば命は助かるという。
◇
そして比々はツボに嵌ったときは、こんな声で笑うという。
ヒヒッ。
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