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毛倡妓の噺
三日連続Q&Aで締めくくり。
今昔画図続百鬼「明」へと入ります
東京を江戸と申した時分のお話。
吉原で起こった怪事である。
友人との付き合いで吉原へ繰り出していたとある男が、部屋を出て厠へ行こうとしたところ、廊下の先に見覚えのある後ろ姿を見た。
それは男がこの店で懇意にしている女郎で、今は他に客が付いているからという理由で目通りが叶わなかった女であった。男はこれ幸いと、その女郎を呼び止めてた。
だが、振り向いたその女の顔を見て肝をつぶしてしまった。
それは男の知る女郎ではなかった。
全身が毛で覆われ、素肌が見えるところは一つもなかった。その無数の体毛は蛇のように蠢き、男を襲おうとしてきた。あまりのことに男はその場で気を失ってしまった。
後になって男から話を聞いた店の者は、それは『毛倡妓』であろうと語った。
◇
Q この毛倡妓、実はかなりの合理的な性格をしているが、それは何故か?
A 不毛な事が嫌いだから
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