怪談 しゃれこうべ

青女房の噺

　東京を江戸と申した時分のお話。

　『今昔画図続百鬼』に描かれたとあるがいた。荒れ果てた古い御所に住まう女官姿の妖怪で鉄漿を付け、ぼうぼう眉の顔に丁寧な化粧を施している。

　これが『青女房(あおにょうぼう)』である。

　青女房はもう誰もいない、誰も訪ねてくることのない屋敷の中で、それでも来訪してくる者の為に夜な夜な鏡の前に座り、化粧をしているのだという。

　◇

　Ｑ　どうして青女房は、そこまで頑なに化粧をしているのか？

　Ａ　そういう化生だから。

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