青鷺火の噺
総合評価ポイントが100を越えました、ありがとうございます!
引き続き妖怪愛をお届けしていきます!
東京を江戸と申した時分のお話。
江戸は四谷に腕が達者な侍がいた。
ある時の事。その侍が用事のついでに話し込み、すっかり遅くなってしまった夜があった。提灯を片手に足早に帰路についている。すると行きしなに前から誰かが歩いてくることに気がついた。
それは白衣を纏っていたので、始めは僧侶かとも思った。が、近づいてきた彼の者を見ると、腰から下がなくまるで幽霊の様だった。ぎょっと驚き、声をかけるとそれの胸から光る大きな目が覗いてきた。
咄嗟に提灯を投げ捨てた侍は目にもとまらぬ速さで刀を抜くと、それを一刀のもとに切りつけた。
雲が切れ、月の光が辺りを照らす。すると道の上には一羽の五位鷺が果てていた。
正体を見定めた後、侍はその五位鷺を自宅に持ち帰ると鍋で似て食べてしまった。
◆
歳を経た五位鷺は狐狸と同じく化けて人を誑かすと言われている。
侍を化かそうとして、いっぱい食わしてやった五位鷺のお話。
読んでいただきありがとうございます。
感想、評価、レビュー、ブックマークなどして頂けると嬉しいです!




