表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
198/365

玉藻前の噺


 後の世で平安と呼ばれる時代のお話。


 藻女(みずくめ)という女がいた。拾われ子だったので二親との血の繋がりはなかったのだが、大切に育てられ都でも評判の器量よしとなった。十八になった藻女は宮仕えとなる。そしてその美貌が鳥羽上皇の目に止まると、寵愛を受けることとなり、名を『玉藻前(たまものまえ)』と改めた。


 だが、それからすぐに上皇は病にかかり寝たきりとなってしまう。何人もの名医が診断したが原因は一向に掴めない。そして陰陽師である安倍泰成が玉藻前の呪詛が元であることを突き止める。


 真言により正体を暴かれた玉藻前は「九尾の狐」の姿に戻ると宮中から逃亡し、那須野の方へ姿をくらました。


 上皇は討伐隊を送ると、見事に九尾の狐を討ち滅ぼすことが出来たという。


 ◆


 九尾の狐はこの時に九本の尾を千切って岩へと変えて敵を欺き、なんとか命だけは助かった。尾を失ったことで力はほとんど残っていなかったのだが、時代が下り、江戸になった頃には人間に化けるくらいのことはできるようになっていた。


 人間の女に化けた九尾の狐は吉原に入ると、すぐに傾城の評判を得るまでになった。


 ◇


 狐は尻尾を使って人を騙すが、男を騙すだけなら尻尾すら必要ない。


 即ちこれを花魁(おいらん)と言うのである。


読んでいただきありがとうございます。


感想、レビュー、評価、ブックマークなどして頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ