表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
192/365

水虎の噺


 東京を江戸と申した時分のお話。


 とある田舎の村に奇怪な事が頻繁に起こるようになった。河川や沼に近づいた村人たちが突然何かに襲われて水の中に引き込まれるのだという。そればかりか、引きずり込まれた者は必ず体のどこかに鋭い牙で噛みつかれた様な妙な傷を負う。そうなると高熱を出し、何日も寝込むことになってしまうのだった。


 村人たちはこぞって、それは『水虎(すいこ)』という妖怪の仕業であると言い合った。


 ◆


 水虎は河童たちの親分と言われており、姿も河童のそれに近い。竜宮に仕えており、人を襲えば襲うほど自らの地位が上がっていくのだそうな。難を逃れるには水場に近づかないようにするか、もしくは水虎はささげと鎌の金気を嫌うとされているのでそれを見に着ければ良いのだそうな。


 ある日の事。


 水場に人が近づかなくなったので、水虎は痺れを切らせて人間の女に化けてみることにした。人に化けた水虎は人気のない街道筋で誰かが来るのを待った。


 やがて誰かが近づいてきたので、怪しまれないように声をかけた。


 しかし、その村人は何かと聡く違和感を覚えた。村人は水虎が化けた女に何かを呟く。すると水虎はギャッと悲鳴を上げて逃げて行った。


 ◆


 村人は妖しいと思ったその女に、正体は水虎ではないかと鎌をかけてみたのだそうな。


読んでいただきありがとうございます。


感想、レビュー、評価、ブックマークなどして頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ