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逢魔時の噺
東京を江戸と申した時分のお話。
今の人が日暮れや夕方と呼ぶ時間のことを、かつては『逢魔時』と言っていた。
書いて字の如く、あらゆる魔性と魑魅魍魎が姿を現して夜の世界へと変わっていく時間であり、そういった化け物を使って子供を脅かして家の外に出ないように戒めていた。
◇
「つまりは悪い者どもが一斉に出てくる時間って事だな」
「なるほどね。悪い事の次には良い事が来るとはよく言ったもんだ」
「どういうこった?」
「日が暮れた後は宵の刻だからよ」
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