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死霊の噺
東京を江戸と申した時分のお話。
とある二人組の旅人が、道行きの途中に山賊に襲われ、金は元より命までも奪われてしまった。二人の恨み辛みは凄まじく、その怨念は『死霊』となって山賊たちを追い求めた。
やがて二人の死霊は山賊のねぐらまで辿り着く。死霊たちはどのような恐ろしい目に遭わせて祟り殺してやろうかと相談をした。
ところが。
その話し声が聞こえてしまい、死霊に驚いた山賊たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出してしまった。
◇
「これはいけない。話し声が聞こえてしまったようだ、これからは話すのはよそう」
「それは無理だよ、相棒」
「どうしてだ?」
「俺たちはもう死んでるんだよ」
「だから何だ?」
「シゴは止められない」
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