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反枕の噺
東京を江戸と申した時分のお話。
ある宿場のある座敷に『反枕』が現れるようになった。
反枕とは、寝ている人間が使っている枕を知らず知らずのうちにひっくり返したり、南を頭に寝ている人をいつのまにか北枕に変えたりという悪戯を摩る妖怪である。
何故こんなことをするのか。
それは依然としてわからない。
単なる悪戯と言われる一方で、寝ている人間の魂を奪う為とも伝わっている。もしくは、寝ている間に殺されてしまった者の魂が、その無念を訴えるために枕を返すという話が残っている事もあるが、いずれも定かではない。
◇
Q 反枕は太陽の光が嫌いだというが、それは何故?
A 真っ暗が好きだから。
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