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怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
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木霊の噺

ありがち

木霊(こだま)』という妖怪がいる。


 古来より、齢を重ねた樹木が霊性を帯び神通力に似た神妙な力を持つと信じられている。そして更に時を経ると人格を得て、精霊として人に似た姿をとるモノがある。

 

 それは男であったり、女であったり、幼子の姿を見せる時もあれば翁や姥の姿と伝えられることもある。


 彼の者らは、時として人と関わることもある。


 山に立ち入る人を惑わしたり、助ける。


 人へ恵みを授けたかと思えば命を奪う。

 

 驕り高ぶった人間を祟り、山林へ経緯を払う者へは恩恵を与える。


 ◇


 こんな話がある。


 ある男が町へ出るために森へ入った。


 ところが、慣れた道であるのに珍しく道に迷ってしまった。そうこうしている間に日も暮れかかって来た。


 焦りが募り出した頃。


「こっちだよ」


 と、耳に聞こえた訳ではないのに、そう呼ばれている様な気になった。藁にもすがる気持ちで、そちらの方へ足を進めると、無事に森を出ることができた。不思議なことに暮れかけたと思っていた日はまだ高く、それからは何事もなく町で用事を済ませられたそうだ。


 後日、その体験を仲間に話した。


「そいつはきっと、木霊だろうな」


 仲間はそう男に言った。ところがこの男、木霊という言葉を生まれて初めて聞いたのだった。当然、木霊がどういうものなのかが分からない。


「木霊っていうのは、一体なんだ?」

「なんだ知らねえのか? 何て説明したらいいかな」


 言い返されても、詳しく説明できるほどの知識もない。仲間は頭を悩ませた。


「早い話が、木の精だよ」

「ああ、なんだ。気のせいだったのか」

読んでいただきありがとうございます。


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