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怪談 しゃれこうべ  作者: 小山志乃
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狸の噺

狸の噺って何だよ!


完全に落語の「狸賽」です。。。


 東京を江戸と申した時分のお話。


 ある所に独り者の渡世人がいた。この男、博打は好きだが腕前も運もからきしで、年がら年中の貧乏暮らしをしていた。


 ある時の事。


 仕事をするでもなくフラフラ表を歩いていると、近所の子供たちが子狸を捕まえてイジメているところへ遭遇する。普段だったら通り過ぎるところだが、今日に限って妙に可哀相な気持ちになった男は、なけなしの小銭を子供らに掴ませ、狸を助けてやったのだった。


 そしてその夜のことである。昼間の子狸が恩返しと称して男の元へ訪ねてきたのである。


 一度見た事があるものになら何にでも姿を変えられるという子狸の特技を聞いた男は、一つのサイコロに化けるように促す。その上で、どんな出目でも出させることが出来ると知ると、男は早速賭場へ駆け出して行った。


 シマを仕切るヤクザ者たちを何とか言い包めて胴元に収まると、早速チョボイチを始める。チョボイチとはサイコロを使った一番簡単な賭け事であり、壺に入れた賽の目が一から六のどれになっているかを当てると言うものだ。


 一に誰も賭けなければ「一だぞ、一。まあるいポチを上にするんだぞ」と言い、六に賭ける者がないなら「六だ、六。丸三つを並べておくだぞ」と、さもさも大げさに声を出した。当然、壺を開けたサイコロの出目は男が言った通りになる。


 さすがにそんな事が続くと、仕掛けは分からないが男の言った通りの目になると気が付かれ、子らは「壺を開くまで数をいうんじゃねえ」という。


 仕方なしに振った五の出目を何とか壺の中の狸に伝えようと男は頭を捻った。


「あ。梅鉢だ。天神さまの梅鉢と同じ形だ。天神さまになっておけ」


 そう言って壺を開ける。すると中には。


 冠を被り勺を携え踏ん反り返っている天神さまが座っていた。


読んでいただきありがとうございます。


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