河童の噺
上方落語より
東京を江戸と申した時分のお話。
江戸市中の化け物たちが朽ち果てた古屋敷に集まって、酒宴を催すことになった。あちらこちらから千差万別の妖怪たちがひっきりなしに集ってきた。
やがて日が落ち、本格的な夜になると酒も進み余計に賑やかになっていった。
その内、誰となくこんな事を言い出した。
「よし。余興にそれぞれ術なり芸なりを披露していこうじゃないか」
◇
こうして、集まった妖怪たちはそれぞれ得意な技を見せ始めた。大入道が怪力を披露したり、一つ目小僧が変化の術を披露したりと順を追うごとに盛り上がりを見せる。
ところが『河童』の番になったところで流れが止まってしまった。
「すみません。私は、どうもよそ様にお見せできるような術も特技もないものでして・・・」
「そうは言っても、こうしてみんな無理矢理知恵を絞ってでも何かを見せているんだ。どんなものでもいいから、一つくらいはあるだろう」
河童はそう諭されると「そうですね」と前置きを入れて外へ出た。そして藁束をほどいて藁を一本取り出すと、なんとそれを自分の尻の穴の中へ入れた。
「誰かすみませんが、この藁を吹いたり吸ったりしてくれませんか?」
一体何事かと思ったが折角河童が何かをやろうとしているので、一番近くにいた一つ目小僧が言われるがままに藁に口を付け、吸ったり吐いたりしてみた。
すると。
河童の頭の皿がポッペン、ポッペン。
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