第8話:決着!
ようやく更新です。
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遂に決着の時が来た!昨日の今日だけど!
「今日のアンケート結果、大丈夫かな……?」
みんな大丈夫って言ってるけど………不安だ。
「……ここで悩んでいてもしかたないか。」
とりあえず準備して、早く学校に行くか。
「「行ってきまーす。」」
「いってらっしゃい。」
いつも通り家を出ると、やはりいつも通り楓がいる。
「おはよ、楓。」
「おはよーカエ姉。」
「2人ともおはよう。 さっ、行きましょ。」
挨拶を交わして、3人並んで登校し始めた。
「ねぇ憂。 昨日のアンケート、ど〜なるかな?」
「ん〜、僕は勝つ自信ないな〜……。」
と言うか、勝てるわけないじゃん……。
「ま〜憂がよほどのナルシストじゃない限り、登校2日目にして、こんなアンケートで勝てると思うわけないか。 しかも憂は、自分に全然自信を持ってないし……。 菫ちゃんはどう思う?」
……相手はすごいナルシストだけどね。
「相手がどんな人かわかんないから、あんまり参考にはならないけど、私は憂兄が勝つと思うよ。」
「やっぱりそう思う? 私も、相手のことは知らないけど、憂が勝つと思ってるよ。」
全く、みんなどこからそんな考えが湧いてくるのやら。
「憂兄って相手のこと知ってるの?」
「……一応、ね。」
「「一応?」」
「うん。 相手の人、いきなり出てきて茜先輩と話して、勝手にアンケートを決めてどこかに行ったから。」
あれは今思い返してもすごかったな〜。いろんな意味で。
「なにそれ、めちゃくちゃじゃない。」
「そうよそうよ。」
「うむ、勝手だな。」
楓と菫は気に入らないみたいだ。……ってあれ?なんか一言多いぞ?今いるのはえっと、僕がいて、右に菫、左に楓、その横に雅瑠っと。……って!!
「ま、雅瑠!? いつの間に!?」
「ん? 少し前からいたぞ。 なあ楓、菫ちゃん。」
「ええ。」
「うん。」
あ、あれ?みんな気づいてたの?もしかして僕だけ……?
「そ、そうなんだ。 全然気づかなかったよ……。」
「おいおい、友達がいたのに気づかなかったとか、お前酷いな……。」
「ごめん……。」
そうだよね。いくらなんでも、こんなに近くに友達がいたのに気づかなかったなんて酷いよね……。
「まっ、いいけどな。 だって、気づかれないように歩いていたのは俺だし。」
「ちょ! なんでそんなことしてるの!?」
なぜそんな無意味なことを!しかも僕だけに!
「憂ならきっと、面白い反応をしてくれると思ったから。」
「あっそ……。」
なんだよそれ……。全然意味わかんないし……。
「ま〜お前が今日のこで緊張してると思って、少しでもそれを解そうとしたのも理由の一つだな。」
「雅瑠……。」
そんなこと考えてたなんて……。やっぱり雅瑠は僕の大切な親友だ。
「でも、面白そうだったからってのが一番の理由だな。」
……前言……撤回しよかな……。
「2人とも何やってんのよ〜! 早くしないと置いてくわよ〜!」
あっ、いつの間にか楓と菫、あんな遠くに。
「おう、今行くぞ! 憂、早く行くぞ。」
「う、うん。」
朝よりは緊張はゆるんだから、一応ありがとうかな?でも理由が酷いからな〜……。そんなことを考えながら、2人と合流して、こんどは4人で学校を目指した。
今僕は、体育館の舞台裏にいる。なぜこんな所にいるかと言うと……。
『今から、昨日皆さんにお配りしたアンケートの結果発表をします。』
アンケートの結果発表の時に、舞台に上がるからである。でも、舞台にまで上がって選ばれなかったらすごくつらいな……。
「ふっ、ど〜やらそろそろ決着の時のようだね。 まっ、僕が勝つのは分かりきっているけどね。」
す、すごい自信だな……。
「阪麻先輩はすごい自信ですね。 どこから湧いてくるんですか?」
「そんなの、僕が完璧だからに決まってるじゃないか! 容姿、学力、運動神経、性格、どれを取っても完璧だからさ!」
ほんとにナルシストだな……。容姿はまだ分かる。僕よりは整ってるから。学力と運動神経はわからないけど、性格は……。
「そ、そ〜ですか。 それならきっと、先輩が勝ちますね。」
「当たり前さ。 君には悪いが、勝たせてもらう。」
こんな先輩に負けると思うと悔しいけど、結構すごいみたいだし、負けて当然かな。性格の部分だけは肯定できないけど……。
『それではまず、お二人には舞台に上がってもらいます。』
来た!ついにこの時が来た!うぅ〜、緊張する〜。
「ついに呼ばれたか。 さー、僕の勝利の舞台へと行こうではないか!」
「は、はい。」
阪間先輩が先を行き、僕はその後ろを小さくなりながらついて行った。
『さて、役者が揃ったので、皆さんがずっと気になっている、結果を発表します!』
ザワザワザワ
『今回のアンケートの結果は!』
は、早く言ってくれ!そして早く帰らしてくれ!こんな所にいたら、恥ずかしくて死んでしまう!結果はど〜せ阪麻先輩なんだから早く!!
『1年B組の柿腋憂です! おめでとうございます!』
おめでとう阪麻先輩!……ってあれ?今僕の名前言った?き、気のせいだよね?きっと心の底では選ばれたいと思う中、極度の緊張状態になったから、幻聴が起こったんだ。うん、そうに違いない!
『なんと柿腋君はこの学校の80%の人から選ばれたのです! ここは一つ、本人から一言貰いましょう!』
………ど〜やら幻聴じゃないみたいだ。阪麻先輩も、有り得ないって顔してるし。それよりも……。80%って、多すぎだろ……。
『柿腋君、一言お願いします。』
「あ、は、はい。」
司会者にマイクを渡されたから、とりあえず今一番気になることを聞いてみよう。
『あの、なんで僕何ですか?』
一番の疑問を、目の前の人達に聞いてみたら
「可愛いから!」とか
「阪麻よりずっと普通そうだから。」とか
「会長が指名したから。」などなど……。って、可愛いって言ったの誰だ!僕は可愛いくないぞ!
『そ、そうですか。 あの、選んでくれてありがとうございます。』
ワァァァァァ!!
なんかみんな叫んでるな……。とりあえずマイク返そ。
「マイクありがとうございます。」
「あっ、どうも。」
司会者の人にマイクを返して、阪麻先輩の方を見てみたら……。あれ?意外にも普通だな〜。もっと何か言うと思ったのに。
『さて、アンケートの結果発表も終わりましたので、朝の朝礼はこれで終わります。 皆さん、自分の教室に戻ってください。』
司会の人が言って、みんなゾロゾロと教室に戻って行った。そして残ったのは、僕と阪間先輩だけ。き、気まずいな……。ぼ、僕も早く戻ろ。
「君。 ちょっといいかい?」
「ぼ、僕?」
な、なんだろう?今は阪麻先輩とは関わりたくないのに……。
「生徒会に選ばれておめでとう。」
「あ、ありがとうございます。」
あれ?なんかすごい普通だ……。もっとおかしくなるかと思ったのに。
「正直君に負けるとは思っていなかったよ。 でも君は勝った。 しかも80%の人から選ばれた。 やはり君は、茜君が選んだだけあってすごい人だ。」
「いえいえ! 僕は全然、すごくないですよ……。」
なんかすごい誉められてるけど、僕は実際そんなにすごくないのに……。
「いいや、茜君に選ばれた時点ですでにすごいのさ。 彼女は、2年生だけど生徒会長をしている。 普通なら有り得ないことだけど、彼女は特別なのさ。 だから、その彼女に選ばれた君も特別ですごいのさ。」
そ〜いえば茜先輩、2年生だけど生徒会長やってな……。
「なんで2年生で生徒会長をやってるんですか?」
「彼女はすごく頭がいいのさ。 前の3年の生徒会長よりも頭が良く、生徒みんなからも人気がある。 そして、前に生徒会長を決めるとき、生徒がみんな彼女を推薦した。 だから彼女は2年で生徒会長なのだよ。」
そ、そんなすごい人だったんだ……。
「そして君は、その彼女に選ばれた。 だから君はすごいのさ。」
「確かに、茜先輩はすごいです。 でもそれが、僕がすごいかには関係ありませんよ。 もしかしたら、気まぐれで選んだのかもしれませんし。」
茜先輩は確かにすごいけど、僕なんかは全然すごくない。きっと気まぐれで選んだんだよ。
「確かに君が言うように、茜君の気まぐれかもしれない。 でも、その気まぐれに選ばれただけでも十分すごいのだよ。」
「……そうですね。 でも一つだけ言わしてください。 僕は決してすごくなんかありません。 ごくごく普通の人です。」
「そうか。 とりあえずそ〜ゆ〜ことにしとこう。 さて、少し話過ぎたな。 早く戻るとするか。」
「あっ、はい。」
そうだ、もうみんな戻ったんだから早く戻らないと。……って阪間先輩もういないし!戻るの早!!でも、あの人本当にナルシストなのかな?さっきの会話を聞く限りじゃ、すごく普通だったのに……。まっ、考えても仕方ないか。早く戻ろう。僕は走って戻ったけど、遅かったからしっかりと先生に怒られた……。