第14話:試合開始!!
や、やっと更新です……。
遅れてすいませんでした。
では、お楽しみ頂けたら光栄です。
「両チーム整列! 礼!」
「「お願いします!」」
遂に始まった試合。女子の方も同時に始まったみたいだ。でも今はあっちのことなんて気にしてられないよ。まずは自分の試合ことだけを考えなければ……。
「おい憂! ベンチに行くぞ!」
「え? ベンチ? なんで?」
今から試合なのにベンチ?まさかは僕は補欠か!?確かチーム人数は10人だから1人余るはず……。ってことはしばらくも何もできないのか……。ちょっとショック。
「なんでって……。 さっき相手チームとじゃんけんして、俺たちが先攻なのが決まったから、バッター以外はベンチで待機だ。」
あ、あれ?いつの間にか先攻後攻決まってる!?僕知らないよ!?
「僕たち先攻!? いつ決まったの!?」
「さっきだ。 お前、緊張のし過ぎか?」
「い、いや大丈夫。 ちょっとボッーとしてただけだから。 ってことは僕は補欠じゃないんだよね?」
「当たり前だろ。 さっき守備と打順決めた時に、お前も入っていただろ。 それに補欠はあそこで本を読んでる奴だ。 自分から試合には出たくないから、補欠にしてくれって言われたから補欠にした。」
そう言えば名前あった気が……。それよりもあの子、なんで出たくないんだろう?
「ふ〜ん。 ちょっとあの子と話してきて良い? 僕の打順は5番だった筈だし。」
「良いけど試合はちゃんとしろよ。」
「うん! じゃあ行ってくる!」
雅瑠の許可も得たし、早速行ってみよう!
「ねぇ、君自分から補欠を選んだってほんと?」
「……うん。 ……運動、嫌い。」
運動が嫌いだから出たくない、か。気持ちはわからなくもないけど……。
「嫌いでも1人で本読んでたらつまらなくない?」
「…全然。 ……本、面白い。 ……運動、面白くない。」
「運動も面白いと思うよ。 友達とワイワイ楽しく体動かしたら、面白いしすっきりするよ。」
「……僕、友達いない。 ……本ばかり読んで、全然、話しないから、周り、寄ってこない。」
確かに本ばかり読んでる感じはするけど、それでも1人も来ないのはありえるのか?
「今まで誰も話し掛けて来なかったの?」
「……来た人、いる。 ……でも、僕、本読みながら、返事してると、みんな、離れてく。」
そら本を読みながらなら、みんな話す気が無いと思って離れるだろうね……。ってか今も本読みながら話してるし……。
「本読みながらだからみんな離れて行くんだよ。 なんで読みながら話をするの?」
「……理由、ない。」
理由はないのか……。
「なら友達を作ろうとは思わないの?」
「……別に。」
「別にって……。 寂しくないの?」
「……別に。」
ほんとにそうなのかな?僕には本心には思うんだけどな〜。
「おーい、憂! そろそろ出番だぞー! こっちに来ーい!」
もう出番か。ちゃんと打てるかな〜。心配だよ……。
「じゃあ行ってくるよ。」
「……いってらっしゃい。」
さて、がんばりますか!あっ、名前聞くの忘れたや……。次の機会に聞こう!
「雅瑠、お待たせ。」
「おっ、来たか。 次はオレでその次がお前だからな。」
「わかってるよ。 今状況は?」
「一番は塁に出たけど二番はアウト、三番は……今アウトになった。」
状況は2アウト、ランナー一塁か。
普通なら僕にまわるかは怪しいけど……雅瑠だしな。絶対打つよ。あっ、ピッチャー投げた!雅瑠は……いきなり振った!!しかも音がカキッーンってかなりいい感じだったよ!ランナーはって一番帰ってきた!雅瑠は……三塁でストップか。ってかいきなりスリーベースって……。さすがは雅瑠だ。あっ、次僕だ。
「よし! 行くか!」
バッターボックスに立って構える。ピッチャーが第一球を投げた!って速!?何今の!?一瞬で通り過ぎたよ!つ、次こそちゃんと見てやるぞ!ピッチャーが第二球を投げた!……見えた!ここか!
ブンッ!
ふ、振り遅れた……。あのピッチャー球速すぎですよ……。そして第三球を投げた!今度こそ!
キンッ!
うっ、ふぁ、ファールだ。いけると思ったんだけどな〜。でも雅瑠の言ってた通り、ちゃんと見てるとどこに球が来るかわかるから、振り遅れさえなければ打てそうだ。そして第四球を投げた!いっけぇ!!
カキン!
いった!ボールは?よし、ショートを抜けた!走れ走れ!っと、さすがに二塁以上は無理そうだ。
でも雅瑠をホームに返せたから、良かったかな。次のバッターは〜って、一球目は振ってないね。ってかあまりの速さに驚いて唖然としてない?そう考えると、雅瑠は特別で僕はたまたまだから、一番の人もかなりすごいんだろな〜。あっ、四振だ。ってことは交代か。よし!守備もがんばるか!でもその前に。
「ねぇ雅瑠。 相手のピッチャーの球って何キロなの?」
「あいつの球か? みた感じ150ぐらいだと思うけどな〜。」
ひゃ、150!?高校1年で150って速すぎだろ!?そんなの素人打てないよ……。あっ、僕みたいにたまたまならあるか。
「雅瑠、そんなに速かったら誰も打てないんじゃないの?」
「そうでもない。 実際すでに2点は入れたしな。 それにストレートだけだからましだ。」
「そ、そうだけどさ〜。」
「ま〜気にするな。 ちゃんと守ればこれから点を取る必要はないさ。」
ちゃ、ちゃんと守れるか不安なんですけど!
「大丈夫だ。 いざとなったら俺が頑張るさ。」
「う、うん。」
不安はあるけど、とにかく僕は自分の守るべき範囲をしっかり守ろう。
あっ、ピッチャーが構えて第一球を投げた!って、あの人もすごく速いんですけど!?このクラスはなぜそんなにすごい人が多いんだ?そんなこと考えてら、あっという間に2アウトか……。次は三番か〜。大丈夫かな〜。あっ、打たれた!球は!?ってこっちに来てる!追いかけないと!でも追いつけない!球はそんなに高くない。こ〜なったら一か八か飛んでやる。
「やぁ!」
バシッ!
やった!取れた!奇跡だ!
「憂、ナイスプレー!」
「うん!」
よしこれでまた僕たちは打撃だな。さ〜て、さっきの子の所に行くか。……ん?あの窓から見てるのは……茜先輩?なんで見てるのかな?暇なのかな?後で聞こうっと。今はさっきの子だね。
「お〜い。」
「……また、来た。」
返事はしてくれたけど、やっぱりこっちに顔を向けてくれない……。
「名前聞いてなかったな〜と思って。」
「……七井、京也。」
「七井京也か……。 ねぇ、京也って読んでも良い?」
「……別に。」
「ありがとう。 あっ、僕の名前は…」
「……柿腋、憂。」
「な、なんで知ってるの?」
確かに自己紹介したけど、そんなに印象に残るようなことしたかな……。
「……君、有名。 ……アンケート。」
……あれか。なるほど、知ってて当然だね。
「そっか、ならこれで僕たちは友達だね♪」
「……友、達?」
あっ、初めて本から顔を離してこっちを見てくれた。京也の目って青くて透き通っていて、とっても綺麗だな〜。顔も整ってるし。……僕の周りってほんとに整った人多いね。僕がすごく浮きそう……。
「そっ、友達。」
「……なんで?」
「名前で呼び合うのは友達の証だろ?」
「……僕、呼ぶ、言ってない。」
ほ、ほんとだぁぁ!!僕1人だけじゃん!
「じゃ、じゃあ、京也は友達になってくれないの?」
これでならないとか言われたら……。考えるのも怖いよ……。
「……いや、友達、なる。 ……僕が、友達で、良い? 憂。」
「も、勿論だよ! なら、今から一緒に野球を見よ!!」
「……うん♪」
あっ、この笑顔。なんか心からの笑顔みたいだな〜。やっぱり友達がいなくて寂しかったんだろな〜。
「ただいま雅瑠。」
「おう。 ん? そっちは誰だ?」
「あっ、この子は七井京也って言って、僕の友達だよ♪」
「……はじめ、まして。」
「おう。 俺は嶋瀬雅瑠だ。 よろしくな。」
「……よろしく。」
雅瑠とも上手くやっていけそうで良かった。京也にはこれからは、ちょっとでもいいから友達を増やして欲しいな〜。
「あっ、そうだ雅瑠。 試合は?」
「今2アウトランナーなし。 バッターは9番だ。 たぶんこいつで終わりだ。」
やっぱり誰も打てないか……。ま〜打てる人がすごすぎるんだよね〜。僕のはまぐれだし。あっ、四振だ。次は守備か。頑張らないとな〜。
「……憂、嶋瀬君、頑張って。」
「うん。」
「おう。 っとそうだ、七井、お前のこと京也って呼んで良いか? 友達の証ってことで。」
「……うん♪ ……僕も、雅瑠、呼んで良い?」
「おう! じゃ、行ってくる!」
「……いってらっしゃい、雅瑠。」
2人とも友達になったみたいだな。良かった!さ〜て、次も頑張るぞ!!