第13話:試合準備
評価、感想待ってます。
「さて、これからチーム決めをするが、まずキャプテンを4人決めたいと思う。 誰かいないか?」
キャプテンとか絶対やりたくないな〜。そもそも僕はそんなに運動神経良くはないから、キャプテンに選ばれることなんかまず無いか。
「誰もいない、か。 ま〜当然って言ったら当然だな。 なら俺が決めるぞ。 まずはお前、元野球部のお前だ。」
「わかった。」
雅瑠は1人のクラスメートを指名した。でもなんで元野球部ってのを知ってるんだ?ま〜雅瑠だからそこまで違和感は無いけど……。
「男子は後は俺がやる。 次は女子だな。 1人は楓、お前だ。 もう1人は楓の横にいる元ソフトボール部のお前がやれ。」
「ええ。」
「わかったわ。」
なんか雅瑠がポンポン決めていくな……。ってか男子はまだわかるがなぜ女子まで知ってる……。ほんとに謎だ……。
「残りは面倒だからくじで決めるぞ。 ほら、みんな取れ。 引いたくじに書いてるキャプテンのチームだからな。」
いきなり適当になった!?なんかめちゃくちゃだな……。さて、僕も引くか。えーっと、僕のくじの名前は……雅瑠か。良かった〜友達がチームにいて。まだそんなに周りと仲良くないんだよね〜。
「おい憂、お前は俺のチームだろ。 早くこっちに来い。」
「え? なんで僕が同じチームなの知ってるの?」
それを聞いたらいきなりこっちに来て耳元で、小声で言い出した。
「お前、ちょっと不安そうな顔してたからイカサマしたのさ。」
「えっ。」
まさかそこまで見てくれて、心配してくれるなんて……。
「まっ、そう言うことだ。 だから早く行くぞ。」
「雅瑠……ありがとう!!」
ガバッ
「うぉ!」
あまりの嬉しさに抱きついてしまった!まっ、いいや。
「ありがとう〜雅瑠〜♪」
「わかった、わかったから離れろ!」
「うん♪」
ふぅ〜。ちょっと暴走しちゃたな〜……って、周りがこっちをジッと見てるぞ?なんだ?
「嶋瀬君と柿腋君って、もしかして……。」
なんか女の子が言ってるけどもしかしてって?何のこと?
「違う! 違うからな!」
「そうなの、良かった〜。」
何が違うくて何が良かったの?周りの女の子たちも明らかにホッとしたような顔してるし……。僕だけ置いていかれてる……。
「ねぇ雅瑠。 いったい何なの?」
「女子がホッとしたのは知らないが、もう一つのことに関してはお前は知らなくても良いことだ。」
「そっか。 わかった。」
とりあえず雅瑠が言うんだから知らなくても良いんだろう。それよりもみんなチーム決まったのかな?ま〜くじだから決まってるとは思うけど。
「おい嶋瀬。 チームは決まったか?」
「はい。 決まりました。」
「そうか。 ならそろそろルールを教えるとするか。」
来た!ついに来た!いったいどんなルールになるんだ!?あの先生だからロクなルールじゃないぞ!
「今回はかなり基本に忠実なルールだぞ。 まず基本的なルールは同じだ。 打って走る。 アウトのなり方も同じ。 ただ盗塁なし、リードなし、バントなし。 当たらなくても良いから振れ。 あとストライクは3回までセーフ、4回ストライクでアウトだ。 ボールは5回までセーフ、6回でシックスボール。 フォアボールのことだ。 試合は6回までだ。 後変化球もなし、素人はまず打てないだろう。 投げ方はお好きに。 オーバー、アンダー、サイド、その外でもなんでもOKだ。 後は重大なことは特になかったはず………っと、言い忘れてたぜ。 対戦は男子AチームVS男子Bチーム、女子AチームVS女子Bチームだ。 さすがに男子VS女子は無理がある。 ま〜勝ったチーム同士の対戦はあるけどな。 そして優勝チームには、俺からちょっとしたプレゼントと、数学の成績満点がもらえるぞ。 とま〜説明はこんな感じだな。 質問はあるか?」
い、意外だ。とても意外だ。あの先生が考えたのに、とても普通だ……。それにプレゼントってのは気になるな……。数学の成績はま〜……どっちでもいいや。みんなは成績ってのに随分と食いついてるみたいだけど。
「先生〜。」
クラスメートの1人が質問したみたいだ。
「ん? なんだ? プレゼントの中身は教えないぞ。」
「それも気になりますが、聞きたいのはバントがダメな理由です。 バントがないとずっと打てない人が出ますよ?」
確かにそうだ。僕とかきっと全然打てないだろうからバントはあった方が良いかな〜。
「バントなしの理由? そんなもんコツンと当てて走るだけじゃ白熱しないし、何より見てる俺がつまらん。 それならいっそ空振れ。」
「そ、そうですか……。」
おい!結局自分の都合かよ!確かに白熱はしないだろうけど、先生がつまらないからとか僕たちには関係ないじゃん!!
「今『先生がつまらないからとか俺(私)たちには関係ないだろ』とか思った奴、それは違うぞ。 これは俺が楽しむために開催したから、俺が楽しめなかったらダメなんだ。 わかったか?」
「「はい……。」」
随分自分勝手だな!ま〜この先生だから自分勝手なのは当たり前か……。
「もう誰も質問ないな?」
誰も手を上げないみたいだ。ど〜やらみんな何を言っても無駄だろうと悟ったみたいだ。
「ないようだな。 よし、少ししたら試合を始めるぞ!」
もうすぐ試合か。時間は………まだ1限目の半分?おかしいな。もっと経っててもおかしくないのに……。
「憂、もうすぐ始まるが準備は良いか?」
「うん、大丈夫! っと言いたいけど、ど〜なのかな〜。」
「何か心配事でも?」
「ちゃんと打てるかな〜とか、みんなの足を引っ張らないかな〜とか。」
「なら一つ、お前専用のアドバイスだ。 憂は動体視力が桁外れに良いから、ボールをよく見ろ。 それだけでお前なら打てるし、守備もなんとかなる。」
「そうなの? ならしっかりとボールを見るね。」
ボールをしっかり見るだけで打てるなんて、僕は結構ラッキーなのかな?
「さて、今から簡単なミーティングでもするか。」
「そうだね。」
「みんな! ちょっと集まってくれ!」
雅瑠の声で、チームの人がすぐ寄ってきた。
「今から守備位置を決める。 まず投手は俺、っと言いたいが俺の玉を受けれる奴が1人しかいないが、そいつをキャッチャーにすると守備が脆くなるから、投手はそこのメガネだ。 俺はセンターに行く。 憂はショート辺りがベストだな。 残りは…………こんな感じだ。 みんな、良いか?」
「「おう!」」
「よし、ミーティング終わり!」
さて、ミーティングも終わって、後は試合が始まるのを待つだけか。
「おーい、お前等! そろそろ始めるぞー! グランドに整列しろー!」
遂に始まるか。さ〜て、ど〜なることやら。ちょっと楽しみ♪