禁術
目の赤い炎が揺れるとき、彼は全てを破壊する時だ、一突き、兵が大盾を構える前に貫かれる、
それを見た黒鉄の有志、ラリクが動きだす、
彼は背に背負う槍を投げ捨て、腰の剣を握る、
その大柄な姿にみまわずラリクの動きは素早い、
足がぼんやりと白く輝いていた、
おそらくクイックでも付けているのだろう、
だが…遅い、
彼の目が更に紅く光り、
黒いオーラを剣に纏わせラリクの体を薙ぐ、
すると、なんということだ、ラリクの体は、
グリャリと歪み消えたのだ!
厄介な奴だ、
ラリクは既に後に回り私に向かい剣を振るっていた、
『ウインド』
風が足を押し、方向が転回し、その剣を受け止めた、
ギリギリと金属が軋み合う音がする、
下等なるヒトにしては、やれる部類だ、
だが…私には敵わない。
突如骨魔王の体が弾き飛ばされていた、
受け身を咄嗟にとったが…
失点だ…あの魔法使いを忘れていた、
おそらく『インパクト』でも使ったのだろう、
ラリクの体を赤い光が包み込み、
その赤い光はラリクの体の中に入っていった、
………強化されたか………
少々私だけではキツくなってきたな…
私はだけでは…なだけだが。
我らの強みはその高い生命力、
たとえ、骨と化し、肉が腐ろうと、我らの術は
生物として蘇らせる。
蘇れ、『蘇生』
目が輝くと、周囲の力付きた骨の頭蓋に、
紫色の魔方陣が浮かび上がり、
ばらけた骨が集合し、
蘇る、
まさにアンデットだ、
不気味な姿の王との戦いが始まる




